前回までのあらすじ
壺のお化けを生み出した真経津は、変態医師ギャンブラーの村雨と対戦する事に。
本編あらすじ
真経津と村雨のゲーム。
立会人は渋谷だが、宇佐美の好意で御手洗が補佐役に選ばれる。
会場に入るや否や、既に着席していた村雨が「4リンクには出迎えもないのか?」と文句をつける。
軽くいなす渋谷だったが、御手洗は村雨から滲み出る異常さに慄く。
「失礼な奴だな 私を異常者か何かだと?」
声には出していなかったはず。
だというのに御手洗の様子―――発汗、その量と匂い―――から、「あなた 私の負けに何か賭けているな?」と見抜く村雨。
「スゴく面白いね! 名探偵みたい!」
またもや遅れて―――パンを食べながら入室してきたのは真経津。
獅子神の時同様パンを勧めるが、今回もすげなく断られる。
「心外だな あの行員は あなたのようなマヌケの勝ちに賭けたのか」
真経津は、自分が勝って次のランクに上がった際、担当になるのだと答えた。
「私の勘違いなら申し訳ないが」
「妄想癖があるのか? 不可能なプランを意気揚々と語るな」
「名探偵って言ったのは取り消すよ メガネが曇って何も見えてないみたいだ」
闘志高まる中、渋谷が朗らかに「サウンド・オブ・サイレンス」のルール説明を始めた。
まず、今回の賭け金は1億6,000万円。
これは真経津の賭博口座の残高にわずか2万円足りず、「どうしてもボクに特別融資を受けさせたいんだね」と真経津。
だが渋谷はそれも軽やかにかわし「今回のゲームはお2人とも初プレイですしね」とゲームの目的を説明しだす。
「このゲームの目的は実にシンプル! ”相手より長く意識を保っていること”です」
プレイヤーはそれぞれ
・3枚のレコードを並べる「セット」側
・そこから1枚を選ぶ「チョイス」側
を交互に担当。
レコードの裏面にはそれぞれ異なった演奏時間が表記されており、「チョイス」側は選んだレコードに記載された時間分、非常に有害な音楽鑑賞をする事になる。
レコードの再生時間はそれぞれ「0秒」「2分」「3分」。「セット」側は必ずこの3種類を並べる必要がある。
音楽を聴き終えた「チョイス」側がレコードを返却する事で、攻守交代。
「コレが口で言うほど簡単じゃないんですが 実演しようにもレコードの再生を待つ時間がダルい」
「ということで―――」
「あらかじめ聴かせておいたものが コチラになります」
渋谷が音楽鑑賞ブース側の布を取り去る。
そこには、耳、目、鼻、口から血を流し、ぴくりとも動かない車椅子の男。
「有害音響ブース”サウンド・オブ・サイレンス”が出す音は累計5分の聴取で鼓膜を破壊し それ以降は三半規管や脳に深刻なダメージを与えます」
「この人は累計8分聴いてこうなった まあフツーの人はこのくらいが限界ですかね」
渋谷はふと「村雨君 この人大丈夫?」と尋ね、村雨は「いや」と即答。
渋谷は説明を続けながら、車椅子の男を室外へ蹴飛ばす。
「我々も悪魔じゃあない ちゃんとセーフティを用意してあります」
「ゲーム中に再生されたレコードの合計再生時間が”10分1秒”を超えた瞬間から ”サウンド・オブ・サイレンス”は人間には絶対に耐えられない音を出し続けます」
「命を救う人道的な処置だ 聴力は永久に戻りませんがね」
「対戦相手が”演奏終了後5分以内にレコードを返却出来ない状態になること” これが勝利条件です」
レコードは毎ラウンド新品が支給される。
「セット」側プレイヤーはレコードを並べた後「セット」の宣言をし、その後「チョイス」側プレイヤーがレコードに触れれば、そのレコードを選択したとみなし必ず再生する事になる。
暴力行為・返却口やドアを壊すといった物理的妨害・「セット」宣言時に特定のレコードにしか触れなくする配置は反則即失格。
「ご質問はありませんね まああっても答えませんが」
「―――それでは」
「”サウンド・オブ・サイレンス” ゲーム開始といきましょう」
トン
トン
トン
トントントントントントントントントン
「面白い男だ」
「何もないのか」
「不安や恐怖も」
「あなたにあるのは」
「ただ ”楽しみ”だけ」
「異常者め 私が中身を覗いてやる」
感想
村雨さんの観察力半端ない!
当記事を書くために読み返しましたが、村雨さんの観察力、ちょっと半端ないですね。
汗を見て確認したのはともかく、その”匂い”まで当てていたとは!
…メガネかけてますけど、視力も半端ない?(伊達メガネ…?)
また最後、真経津さんの中には恐怖も不安もなく、”楽しみ”しかない事も見抜いています。
大当たりですし、実際真経津さんも”異常者”で間違いないと思うのですが、前回の趣味手術シーンを見ていると、「お前が言うなやぁああああ」という気持ちにさせられます(笑)
有害な音楽って何…?
聴くだけで鼓膜を破壊、三半規管や脳に深刻なダメージを与える音楽。
…えっ、カラス銀行は音響兵器でも開発してしまったのでしょうか??
有害な音楽なんて、HUNTER×HUNTERの「闇のソナタ」くらいしか思いつきませんが…。
10分そこそこで人の命を奪えるような音響兵器なんて、もはや一介の銀行の手に余るものでは…??
渋谷さんが食えない人すぎる
榊さんとのやり取りでもその片鱗を見せていましたが、ギャンブラー相手にのらりくらりとして見せる、どう見ても重症の人間を蹴っ飛ばすなど、渋谷さん、なかなか食えません。
そんな気になる渋谷さんについても、また後日個別記事を書く予定です。
【2022/4/2追記】書きました
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