前回までのあらすじ
「三角 誉」という「世界」の中で、なおも変化を続ける友人たち。
その中で唯一変化をしない人物。それは三角が初めて理解した人間、自身の母親だった。
本編あらすじ
三角誉の過去───
悪口を言われた仕返しで、クラスメイトを階段から突き落とし骨折させた三角。
母親は平謝りするが、当の三角は全く罪悪感を持っておらず、「仕返しとしてはやり過ぎだったと思わないか」という教師の言葉にも、どこか見当外れな返事をする。
「あんた以外の人達にも心があるの」「ゆっくりでいいから もう少しだけ人の気持ちがわるように頑張りましょ」と母親は言うが、「人の気持ちがわかるなら、どうして僕に悪口を言ったり無理やり謝らせたりするのか」「人って 誰のこと?」と三角は疑問を口にする。
その後も三角は事件を起こし、その度に母親は謝り、やがて両親は離婚。
母親はずっと息子の味方でいたが、とうとう限界を迎える。
料理を落とし皿を割った事に対し謝るでもなく「コレもう食べられないから 新しいの作らなきゃダメだね」と言い放った息子を乱暴に押し倒し、顔のすぐそばに包丁を突き立てた。
「どうしてアンタはいつもそうなのっ!?」「なんで普通のことが普通にできないのよっ!!?」
「アンタみたいに人の気持ちがわからない化物は 一人ぼっちでさみしく死ぬしかないんだっ…!!!」
そう言って泣き崩れる母親の言葉に、三角は「それは イヤだな」とぽつりと応える。
その後、割れた皿を片付け始める母親のかたわらで、三角は同じように片付けを始める。
片付ける三角の後ろ姿は、母親と全く同じかたちをしていた。
───舞台は再び、デビルズマイン・ツインズへ。
三角は、三角自身がすべての友達とわかり合えても、友達同士全員が互いにわかり合う事はできない、と語る。
「だから探さなきゃならないんだ 皆の気持ちを一つにつなぐ完璧な理解者を」
「その誰かと友達になって オレは世界を天国にする」
8ラウンド2戦目、「トレジャー」側として宝を配置し終えた三角。
真経津は「君の努力は認めるけど 迷走してるって言わざるを得ないね」と答える。
「人の気持ちを考え続けたのに 自分のことしか見えないなんて」
「迷走じゃない それが最善なんだ」
第8ラウンド2戦目、結果は───
8R後半 | 岩残数 | 削岩数 | 連続削岩数 | 特殊アイテム |
真経津 | 22 | ±0→+1 | 1/5→2/5 | なし |
三角 | 22 | +1 | 3/5 | 大喰らいの人魂 |
ブランクを引いてしまった真経津に、「わかってるとは思うが一応伝えとく」と話す三角。
「オレが昔話までして夢を語った理由は」
「理解し終えたからだ お前の札の出し方を」
「今度はお前が理解しろ 何もわからず死ぬ前に」
感想
三角母
前回、キーマンとしてその存在が明かされましたが、今回サクッとその人物像が明らかになりました。
いいお母さんでした!
父親が息子を見捨ててしまったのに対し、母親はずっと息子に寄り添っていました。

センシティブな話題ですが、このように「子どもに問題がある」時って、父親はさっさと姿を消すパターンが多い気がします…。
しかし、そんな生活では当然お母さんにも限界が訪れます。
まるで息子を殺してしまいそうなほどの慟哭も、三角さんの心に届いたのか…
…
いや、届いていたんでしょうね。
その後からお母さんの「模倣」を始めていますし、何よりお母さんの言っていた「(なんで)普通のことが普通にできない」は、三角さん結構自分の事を語る時に使っていますよね。
さて前回、三角母が変化しない理由を2つ予想しましたが、これはやはり
①「理解した」と言っているが、結局母親の事は”理解できなかった”
でしょう!!!
ただし理由を微訂正…
理由:三角さんからお母さんへの「愛」が強く、「思い込み」で母親像を作ってしまった→結局理解が追い付かず、変化しないただのbotと化した
いや"微"どころじゃねえ。
お母さんの言い放った「人の気持ちが分からない化物は 一人ぼっちでさみしく死ぬしかない」という言葉。
それが嫌で模倣を始め友達を作り始めた三角さんですが、お母さんがこのセリフを言った時の心情は、結局理解できていないのでしょう。
それこそ、クラスメイトが悪口を言って来たのと同じレベルだと認識してしまったはずです。
愛しているからこそ、庇い続けて、疲れて、そして吐いてしまった呪いの言葉。
一人ぼっちでさみしく死んで欲しくない。
そういった"愛"が根底にあるからこそ、こういった言葉が飛び出してしまったのに。
その"愛"が理解できていないからこそ、三角さんの中のお母さんは「化け物」botになってしまったのでしょうね。
ギャンブラー探し物をするために賭場に集まりがち
まあ…
まあ、お金で買えないモノを探しに来てるって事ですしね。
うん…