前回までのあらすじ
繰り返す この シヴァループ
あの勢いが 嘘みたいだね
繰り返す この シヴァループ
ああ 落第者 みたいな プレイだ
本編あらすじ
眞鍋の宣言通り、第3ラウンドは実に6ループし、真経津のみ温度変化のストックが+30℃にまで達していた。
長い時間、普段着のまま10℃の室内で過ごしているため体温も奪われ続けている真経津。
そこから瞬時に+30℃の温度変化が反映されれば、熱風による死は免れない。
眞鍋はよりよい教育を施すため、無数の人生を覗いてきたという。
そんな中眞鍋が気付いた事実とは、「落第者達が犯す無数の失敗には、無数のパターンなどない」「自分が真に求めるモノを見失い、自分の人生を幸福へと一転させる魔法のアイテムを求めてしまう」というもの。
「君は寒さを癒す熱と 戦いの苦しみから救ってくれる勝利が欲しい」
「だから何度でも読まれる 後戻りできなくなるまで」
「人をたくさん見たから考えが読めるって 海外旅行に何度も行ったから 世界が広いってのと大差ないよね?」
「大人の知ったかぶりは致命的だ 初心を忘れず警戒しなよ」
「目の前の敵は 人生で初めて会う人種かもしれない」
7度目の第3ラウンド、1戦目───
第3ラウンド1戦目 (7回目) | オーダー | 残り手札 | ストック |
真経津 | HOT パー(+5℃) | HOT チョキ(+2℃)、HOT グー(0℃)、 ICE パー(-5℃)、ICE チョキ(-2℃)、ICE グー(0℃) | +35℃ |
眞鍋 | ICE グー(0℃) | HOT パー(+5℃)、HOT チョキ(+2℃)、HOT グー(0℃)、 ICE パー(-5℃)、ICE チョキ(-2℃) | 0℃ |
「そうやって誰もが 無根拠な願いに縋る 自分だけは特別だと」
「ならば尋ねよう」
「本当に君が特別なら この現状はなぜ存在する?」
そのままあいこ合戦はさらに5度続き、12回目の第3ラウンド。
真経津のストックは+55℃にも達していたが、ここで眞鍋はふと根本的な疑問を抱く。
1を聞き10を知る優秀な生徒が、どうしてこれほどまでに弱い?
数百の落第者達となんら変わらない、目先の欲と失敗のツケに追われるだけの弱者───
そのように見えるから、真経津晨は不気味なのだ。
賭場で警戒すべき相手は、己を遥かに凌ぐ賢人か、教わったことを悪用する愚者。
だが、真経津晨がそのどちらかだと言うのならあまりにも「あまりにも 未熟なフリが上手い?」
眞鍋の思考を遮るような真経津の声。
「教えるとか教わるとか 落第とか合格とかそんなことよりさ」
「君に一つ質問だ」
「誰と戦ってるか わかってる?」
第3ラウンド2戦目 (12回目) | オーダー | 残り手札 | ストック |
真経津 <2勝中> | ICE チョキ(-2℃) | HOT チョキ(+2℃)、HOT グー(0℃)、 ICE パー(-5℃)、ICE グー(0℃) | +53℃ |
眞鍋 | ICE パー(-5℃) | HOT パー(+5℃)、HOT チョキ(+2℃)、HOT グー(0℃)、 ICE チョキ(-2℃) | +5℃ |
眞鍋の視界に映るのは、真経津───の奥に佇む御手洗の姿。
「…まさか 暉の真似をしていたのか?」
感想
ループに付き合う暗黒金持ち達
ブルー・テンパランスでは第47ラウンドまでゲームが行われたため、暗黒金持ち達も文句を垂れていました。
そこで思い出して頂きたいのが、今回の会場。
めちゃくちゃ寛げそうな座席でしたね!
ゲームのモチーフがダイナーの割には、なんていうかこう、コニカミノルタのプラネタリウムみの強いシートでしたよね。
引用元:https://www.konicaminolta.com/jp-ja/newsroom/topics/2017/1214-01-01.html
上記はルクセンブルク大公国の大公殿下です!!
暗黒じゃないロイヤルな御方がプラネタリウム鑑賞を楽しまれている、ごく健全な場面です!!
こんな座席なら、どんなにゲームが長引いても安心!!
なんなら居眠りだって出来ますぞ!!
…というか、長引く事が予想されるゲームだったから、あんなシートを用意してたんですかね。
双方切れ味鋭い
眞鍋先生の
「落第者達が犯す無数の失敗には 無数のパターンなどない」
「できるだけ労力をかけずに 何者かになろうとし」
「手の届かぬブドウのすっぱさを 躍起になって証明しようとしながら」
「自分の人生を幸福へと一転させる 魔法のアイテムを求めて わかりやすく ないモノねだりを繰り返すんだ」
も鋭い!!ですし、真経津さんの
「人をたくさん見たから考えが読めるって 海外旅行に何度も行ったから 世界が広いってのと大差ないよね?」
もグサッ!!と来ますね!
"装うもの"の本領発揮!?そして唐突に矛先を向けられる御手洗君
モノローグに被せてくるのは、眞鍋先生の専売特許かと思っていました。が、まさかの真経津さんの発言!!
ライフ・イズ・オークショニア時の村雨さんの時のように、本性を顕した、といった感じでしょうか。
さすがに1ヘッドギャンブラーの風格と言いますか、ほとんどうろたえず「まさか 暉の真似をしていたのか?」発言をしていますが…
ここであらすじ部分では省略していた、眞鍋さんの「~ように見えるから真経津晨は不気味なのだ」評を全文載せましょう。
彼は数百の落第者達となんら変わりない
目先の欲と 失敗のツケに追われるだけの弱者
熱心ではあるが実力は只々並…
理想と自意識だけが高く それに伴う能力はまるで足りない
…。
ほう…。
たしかに御手洗君だ!!!
こうして突如ディスられた御手洗君。
ビックリですね。
そしてこれまで真経津さん、感情を抑えるといった芸当は行ってきていましたが、「誰かの真似をする」というのは、初めてのワザになります。
誰かの真似をする。
”誰か”を”装う”。
そう、”装うもの”、つまり”デギズマン”!!
当初も当初、2話にて言及されておりましたが、ここでその意味が明かされるとは…!
真経津さんといえば「鏡」ですが、鏡とデギズマンは確かに結びついていませんでした。
おお…!
ここで、まさか、デギズマンが出る…。
ええ…すごい…
驚きのあまり語彙力が死亡
でもそうなると、対戦相手は真経津さんを覗こうとすると鏡で自分の姿を見てしまうし、真経津さん自身は”誰か”を”装って”しまうし…。
本当の真経津晨って、一体なんなんでしょう…。