前回までのあらすじ
本編あらすじ
時間により空気が戻り、再点火した獅子神のロウソク。
獅子神は「ずっと遊んでやがったな」「バカにしやがって」と激昂する。
だが黎明は「再点火できるか100%の確証はなく、確率を上げるためにギリギリまで待っただけ」「自分に”確率”なんてものを意識させるほど敬一君が強くなった」と話した上で、「敬一君は”時間”を見逃していた」と指摘。
「時間を気にしていれば気付けたはずだ 自分が迷い遅延している間に 何が変わっていくのか」
「なぜオレが9ラウンド以降 一度もお前に”たいまつ”を渡さなかったのか」
「オレを相手に戦うには 時間をかけ過ぎた」
互いに即死圏内の残り時間。
18ラウンド目、ゲートキーパーの黎明は人形の仮面を剥がし「終わりにしよう オレに”ハート”を2つ渡して」と獅子神を”脅迫”する。
だが獅子神は「オレが誘いに乗らなかったらどうする」「2分差しかないのだから、共倒れする可能性だってある」と静かに問いかける。
黎明は、それはもう戦いではなく心中だ、と返す。
「この先に待つすべての喜びと楽しみ それと引き換えにでもオレを殺したいって言うんなら」
「終わりとしては悪くない そんなに愛されるなら」
「───」
「オレの負けだ」
【門番】黎明 | 居眠り | 歓迎 | 鉄壁 |
【旅人】獅子神 | たいまつ | ハート | ハンマー |
【門番】黎明のスコア | たいまつ+1 | ハート+1×2 | 変化なし |
ハッピーハート | ロウソク | |
獅子神 | 3 | 1本/5本 |
黎明 | 5→7 | 4本→5本/5本 |
「決着ッ!!!」
「”デッドマンズ・キャンドルライト”!!」
「勝者 叶 黎明!!」
毒の除去作業のため、しばらく個室内に留まる獅子神と黎明。
獅子神は、「全力で負けたオレに なにかアドバイスをくれ」とまっすぐに黎明を見る。
「どんなに自分を魅力的だと思い込んでも 自分が魅力的かどうか決めるのは他人だ」
「だからこそ」
「自分くらいは思ってやれよ オレ最高ってな」
笑う獅子神。
「ムカつくぜ ピカピカ野郎が」
ゲームが終わり、並んで座っていた宇佐美と伊藤は席を立つ。
2人同時に「結果は見えた」と、意味合いも真逆の言葉を放つ。
「前座は終わり 次の戦いが全てを決める」
宇佐美班代表───真経津晨。
伊藤班の代表は───かつて御手洗と言葉を交わし、人の命を簡単に刈り取っていた、あの男。
感想
決着!!!
やはりというか、黎明くんにも、”再点火する”という確証は無かったんですね…。
基本的に黎明くん、というか黎明くんクラスのギャンブラーは100%の確率がなければ行動を起こさない気がしますが、これは本当に”賭け”だったんですね…。
再点火しなかったらしなかったで「あ~あ」とあっけらかんと結果を受け入れそうな気がします…
そして終わり方。
前回の黎明くんの「敬一君がお願いするんだ オレに勝ってくださいってな」という言い方から、もうちょっと揉める終わり方になるかと思いましたが、静かな決着となりましたね。
「愛だってよ 愛!」
ピーキー・ピッグ・パレスにて、天堂の考え方についてこのように笑っていた黎明くん。
そんな黎明くんが「終わりとしては悪くない そんなに愛されるなら」と笑顔を浮かべていたのは、印象的でした。
別に黎明くんは、「愛」自体を笑っていたわけではありません。
ただ、ゲームで相対する相手に対し「愛」を持ち出した事をからかっていました。
ところが今回のゲーム…
あの…
ねえ…?
愛情タップリマシマシ、読者はすでに致死量の愛(どく)に溺れちゃいましたね。
獅子神さんが成長した事に伴い、黎明くんの心境にも変化…成長?があったのかもしれません。
自分くらいは
どうしても自分を卑下してしまう獅子神さんへの、最高のアドバイス。
獅子神さんが真っ直ぐにアドバイスを求め、そこから一連の流れが、本当に素敵でした。
決着がついたコマも何気に大好きです。
敗北を受け入れている表情の獅子神さん、
オーディエンスに向けて「オレの勝ちだぜ」とアピールしている黎明くんの振る舞い。
お前か
伊藤班の「化け物」ギャンブラーは、あの独り言の人で確定のようです…!