前回までのあらすじ
×飛行機の人
○三角誉
本編あらすじ
伊藤班。
伊藤は「宇佐美から仕掛けた団体戦であるにも関わらず、前哨戦2戦では1勝1敗となった意味がわかるか」と部下に問うていた。
それぞれが答える中、昼間が「ナメられている」「今までの2戦を練習試合に使いやがった」と回答。
伊藤はそれを正解とし、「宇佐美は2勝よりもギャンブラーの成長を目的とした」「つまり解任戦後も自分の班が存続すると思っている」と話す。
宇佐美の傲慢さの根拠は、真経津 晨という怪物。
そこでこちらも、三角 誉という怪物をぶつけ鼻っ柱を叩き折る。
三角の名前を聞くと、伊藤班の面々は皆顔色を悪くした。
「今さら言うまでもないが 三角誉は連続殺人鬼だ」
三角はターゲットを徹底的に監視・追跡した後、強制的、もしくは契約によって共同生活を送る事で、ターゲットの言動や思考、そして技術までを完璧に模倣する。
そして模倣が完了するとターゲットを殺害し、また次の獲物を探し同じ事を繰り返す…
なぜそんな事をするのか、ターゲットはどういう基準で選んでいるのか、そもそも三角本人が殺しているのか。何もかもが不明。
昼間は「アイツがヤバい奴なのは分かっているが、そんな意味不明の奴に任せていいのか」と当然の疑問を口にする。
そこで伊藤は「お前達には公開されていなかったが」「三角 誉は”第2種白紙権”を所有している」と明かした。
「白紙権」とはその名の通り、権利者が指定した日時から遡り最長で2週間、その人間の行動と存在を無かった事にする特権。
三角は殺人よりも模倣に重きを置いているため、無計画にそこかしこで人を死なせる。
その隠蔽を銀行が全力で行っているが、それでも庇いきれない時、身柄を安全な場所に運び、偽の行動履歴を用意しているのだという。
「そして昼間の疑問の答えとしては───」
「第二種白紙権の値段は 20枚綴りでヘックスメダル10枚」
「三角はそれを すでに2度購入している」
生まれたての怪物が、成体の化け物に勝てる道理はない。伊藤はそう締めた。
ワンヘッドクラスのギャンブラーは、確実に周囲の人間を病ませる。
故にいくらギャンブラーが強力でも、それを扱う行員が壊れてしまえば班そのものが崩壊してしまう。
そんな危険な三角の担当行員は───
「よぉ ワリーな 待たせちまったか?」
「仕事だぞ イカレ男 さっさと賭場に行こうぜ」
街中で待っていた三角に声を掛けたのは、土屋田。
三角は土屋田を一瞥すると、「お前なんだか前と様子が違うな」「死んだか?誰か大切な人間が」と話し出す。
「友人…恋人?いや」「もっと複雑な関係性だ」
「頼り 誇り 縋り付いた大切な誰かを」
「お前が殺した」
「己の無能によって」
だが、土屋田は大笑いし「やかましいわこのイカレ桃太郎!! 殺人鬼が殺す殺さねぇで説教たれてんじゃねぇバ───カ!!」と一蹴。
「たかがギャンブラーの分際で 人の人生にちょっかい出してくんじゃねぇ」
「俺様の思い出は俺様のモンだ 皆さんのご意見なんざ聞いてねぇんだよ」
土屋田は、伊藤班の面々が認めるほど仕事ができない。
学習しない反省しない、聞きたいことしか耳に入らない覚えない。
だがその全ての無能さが、大好きな自分を他人から守る。
受けたい時にしかストレスを受けない、無敵の裸の王様───それが土屋田謙介。
ワンヘッドギャンブラー───怪物・三角の担当行員に適任の男なのだ。
一方、宇佐美班。
宇佐美は渋谷に「"デギズマン"という名に聞き覚えは」と尋ねた。
「まあ噂ぐらいは知ってますよ もっとも主任から聞いた話がほとんどですけど」と答える渋谷。
つまり「デギズマン」という名は不穏な名前であること以外、何もわかってない。
真経津が意味を分かって申請したのかどうかはともかく、宇佐美たちが憂慮すべき問題は別にある。
銀行にとって禁句であると知りながら、申請をしてきた御手洗。
彼は真経津のためなら、宇佐美たちにも牙を剥く。
「事と次第によっちゃあ 私らが手を打たなきゃなりませんな」
感想
伊藤班もビビる三角
あの不遜な班員たちがビビっているのはなかなか新鮮ですね…。
第2種白紙権
眞鍋先生の持っていた特権が「第3種閲覧権」だったので、より強力な特権という事ですね。
「ですね」というか、ハッキリ値段明かされましたね…
「ヘックスメダル10枚、しかも2回購入済」。
チマチマ20戦したとは思えませんし(それはそれですごいんですが)、5勝+同格のギャンブラーとの勝負に1回以上勝利している、まさに真経津さんが待ち望む「高額のBetを受けてくれる怪物」に違いありません。
うーん…
いきなり相手の強さのギア上げすぎじゃないでしょうか??
飛行機に乗っていた理由
A.隠蔽し切れなかったから、アリバイが出来上がるまでバカンスをしていた
ワンヘッドギャンブラー
伊藤班は三角さん、眞鍋さんとワンヘッドギャンブラー2人を擁していたわけですが、宇佐美班は真経津さん以外にいないんですかね?
ワンヘッドギャンブラーで居続けるだけで大変な労力なので、現役はいないのかも?
村雨さんを一応ワンヘッドとカウントしてもいいのかもしれませんが…
無敵の裸の王様
周りを病ませるワンヘッドギャンブラー。
そうですね、御手洗君とっくに病んでますもんね。
そして土屋田さんの意外な強みが判明…!
でも「受けたいダメージしか受けない」といっても、この時めっちゃ怒ってたような…
にしてもこの時の御手洗君の眼の綺麗なこと…
それは置いておいて、土屋田さんの「殺人鬼」発言に「殺人鬼って言うなよ」と返していたり、その後一緒に歩いている様子など、今までの不気味な三角さんとはまた違った面が見れて面白かったです。
殺人鬼呼ばわりは嫌なのか、三角さん…