前回までのあらすじ
サウンド・オブ・サイレンスは、真経津の勝利にて決着。
村雨のメガネは……割れた。
本編あらすじ
ギャンブラー2人が医務室行きとなり、会場には御手洗と渋谷のみが残された。
「会場の後始末も特四の仕事」という言葉に驚く御手洗だったが、更に渋谷はその仕事を御手洗に押し付けた。
「君が本当に抜け目ない男なら 片付けから学べることも多い」
渋谷の言葉に、御手洗は音響ブースの中に足を踏み入れる。
レコードの再生機器、真経津の言っていた通り、針は折れている。
更に、針の横からパーツを剥がした跡。
それが、真経津が「レコードの”本体”」として村雨に見せていた”チップ”だったのだ。
御手洗は、自分が今まで言い訳ばかりしてきたと内省する。
アレがない、これが足りない、時期が悪い、気分が乗らない。
だが、強い人は機を逃さず、どんな手段も使う。
(強くなるんだ 真経津さんの戦いを見続けるために…!!)
御手洗のスマートウォッチに、しいなから振り込まれたキャリアが加算された。
翌日。
特四、宇佐美班の執務室では、しいなが苛立ちを隠そうともせずにデスクでお菓子をドカ食いしていた。
榊・渋谷・梅野の3人が御手洗に対し「近寄るな」「目を合わせるんじゃないぞ」「祈りです」とアドバイスを送る中、宇佐美が出勤する。
宇佐美は御手洗がキャリアを増やした事を称賛しつつ、「しいな君にチャンスを恵んで貰えたこと」に感謝せねばならない、と言う。
「後輩に堂々と胸を貸す懐の広さと財力 これを併せ持つ優秀な人物はそうはいません」
その言葉に、しいなは一気に機嫌を良くさせる。
宇佐美は続けて御手洗に「次は何か策があるのか」と問う。
御手洗の今の全キャリアは5年。
真経津の担当権を買うには、そのすべてのキャリアが必要になるが、まさか全キャリアをつぎ込むわけにもいくまい。
「あ…あの ちょっと言いにくいんですが…」
「実はもう買っちゃいました 昨日の内に」
呆気にとられる榊・梅野・しいな。
渋谷は大笑いすると、「やっぱり主任には敵いませんね ハイ6か月」と、宇佐美へキャリアを支払う。
「なんです今の?」
「賭けをしていたんですよ ”御手洗君が賭けに勝ったらいつ担当権を買うか”」
渋谷は「今日」、宇佐美は「ゲーム当日」に賭けたのだという。
梅野が御手洗に「何故そんなに急いだのか」と訊くと、御手洗は「昨日が真経津の担当権最安値だったから」と答えた。
御手洗は、”ギャンブラー担当権が高値で売られている”=”担当ギャンブラーの勝利が行員にも利益をもたらす”と予想。
真経津の強さが知られてしまえば、誰も5年などという安値では担当権を手放さない。
であれば、真経津の口座への入金を任された御手洗が即担当権を買う事で、最速で担当になれる―――と踏んだのだ。
御手洗の判断力は素晴らしいものであったが、当面のキャリアはどうするのか、という話題に。
だが榊や梅野が、御手洗に仕事を依頼する形でキャリアを提供。
しいなは既に賭けという形で御手洗にキャリアを渡しており、残る渋谷は口では拒否しつつも、昨日清掃業務を御手洗に押し付けた事がハラスメント規約違反となり、御手洗に罰金を払う事に。
こうして御手洗は担当ギャンブラーと当面の資金を入手。
ようやく本業に勤しめる、と宇佐美は話す。
「本業…ですか?」
「身内でキャリアを循環させるだけでは不毛です」
「より多くのキャリアを集めることこそ我々の本業」
「そのために最も有力な手段が」
「奪うことです 他の班からね」
感想
清掃員雇えないんか…
機密保持のため、清掃員を雇えない。
そのため、御手洗君達が掃除をしないといけないそうですが…
清掃専門のスタッフとか雇っちゃダメなんですかね?(笑)
音響ブース内の壁の張替えとか、御手洗君できるのかな…
災害扱いされるしいなさん…
お菓子ドカ食いは分かりますが、焚いているアロマ?が禍々しさを際立たせています。
しかも榊さん、しいなさんのお茶汲み役交代のために、8か月も支払っています(笑)
「お茶汲み」文化が私の周りにはないので、ちょっと不思議な感じです。
遠巻きにする榊さん・渋谷さん・梅野さんとは違い、しいなさんの機嫌を治してしまう宇佐美主任…さすがです。
さて、特四他班の存在が明らかになったところで、次回へ続きます。
物語は、行員同士の争いへ…!
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