前回までのあらすじ
御手洗の前に現れた、元・特2の朔（サク）。
彼が持ち掛けてきた”ゲーム”とは…！？
本編あらすじ
オタクが集まってゲームをやりながらゲームを作る、特別企画管理課・特2。
他の課からは「ギーク（オタク）」と笑われる彼らだが、主任クラスの行員すら、特2が何人いるのか把握できないほど隠匿性の高い課である。
この倉庫も自分たちが考えた、という朔に、御手洗は「情報を漏らしたせいでここにいるのか」と指摘。
「落ち込んでるように見えたが頭は回ってるみたいだな」と御手洗を称賛しつつ、朔は趣味で作りたいゲームがあったためにギャンブル内容をリークし資金を稼ごうとしたと明かす。
自己紹介を終えた朔は、御手洗を改めてギャンブルへ誘う。
この倉庫では商品同士の賭博は禁止されているが、銀行が主催するギャンブルが一つだけある。
その名は「ザ・ショートホープ」。朔が作ったゲームだという。
勝てば一攫千金だが、要は負けた売れ残りをまとめて処分するためのシステム。
プレイ人数は16～25人、1人でも勝ち目はあるが、2人なら確実。
賢いパートナーを探していた、組むなら詳しく教えると言う朔。
「勝負に勝ち 有能さを示せれば 買われた後 人材として扱われる」
特4と特2のコンビなら銀行絡みの仕事を任されるかも。
更に朔は駄目押しとして、売店で買った「誓約書用紙」を見せる。
これに書かれた約束は銀行が責任を持つという契約書の中身を見せられた御手洗は―――
御手洗と朔は、ゲーム会場にやって来た。
全体的に可愛らしい絵で彩られた室内。
床には、5種類の絵柄が4×4のマス目状に配置されている。
やがて壁の巨大モニターに映し出された特0の主任、城之内寿（ジョウノウチ コトブキ）が「ザ・ショートホープ」のルール説明を始める。
「見ての通り その部屋には5種類の柄の床があり 目の前には 今私が映ってるモニターがある」
「ゲーム開始後 このモニターに柄が表示されるから 表示後5秒以内に 同じ柄の床から離れろ」
「ルールは以上！ お前らには少し難しすぎるかもしらんな！！」
「賭け金は 全員の所持落札価格全部だ 単純明快 勝った奴の丸儲け」
「それじゃ気合い入れてどーぞ！！ ”ザ・ショートホープ”ゲームスタートッ！！！」
怒涛の流れから、モニターがスロットのように変化する。
表示されたのは、涙を流す瞳の図柄。
債務者達は慌ててその図柄の床から離れる。
だが1人だけ、その図柄の上に立っている男がいた。
「えっ？ 同じ柄のトコ行くんじゃ…」
男の足首バンドから電撃。
男の倒れ込んだ床がそのまま開き、男はかなりの深さ落下していった。
その様子に恐れ慄く債務者達。
「単純なことを 単純な内にこなせないから お前達の人生は 複雑に絡まってしまった」
「人生を歩み直せ 人生を取り戻すために」
感想
読者的には安心できない状態
ドン底で出会った、ゲーム製作をしていた行員。
「銀行が責任を持つ」契約書を用意してまでの、コンビの申し出。
本来なら「やったー！これで勝つる！」状況なのですが……
良い子のジャンケットバンク読者におかれましては、全く安心できない事と思います。
御手洗君が「アンタと組むメリット」を聞いた際、朔さんは回答していません。
それに、朔さんの語る「勝負に勝ち有能さを示せれば買われた後人材として扱われる」「銀行絡みの仕事を任されるかも」といった展望図も、どこかふわっとしているように思えます。
ソシャゲの日課周回についての話は激しく同意ですが…
御手洗君がゲームに出る事にした決め手は、朔さんの見せてきた契約書の内容のようですが、今のところ読者には明かされていません。
一体何が書いてあったのでしょうか。
そして「誓約書用紙」とやらも、果たして本物……？
もう、私は疑心暗鬼です。
「ザ・ショートホープ」開幕！
担当行員として、自身のキャリアを賭けた事はありましたが、何気にこれが御手洗君のギャンブル初参加ですね。
ゲーム会場はまるで子供部屋のような天井と壁紙です。
城之内さんの「お前らには少し難しすぎるかも」「単純なことを単純な内にこなせないから」といったセリフから考えると、債務者達を（悪い意味で）子ども扱いしているように思ってしまいます。
ところで城之内さんって女性なんでしょうか？男性なんでしょうか？
1回目で落ちて行った人いましたが、
「同じ柄の床から離れろ」
を
「同じ柄のトコ行く」
と思ってしまう勘違い、リアルにありそ～だな～～～という感想が浮かびました。
さて、1回目は非常に単純でした。
目の絵が表示されたので、その図柄の床から離れるだけ。
しかし、朔が賢いパートナーを探していた事からも、ゲームはそう単純ではなさそうです。
複数の図柄がモニターに表示される、床の図柄すら変化する……といった展開は有り得そうですが、それだけではないのでしょう。
今の状態では、パートナーが必要な理由がまったく分かりません。
残念ながら私には予想できませんので、次週を楽しみに待ちたいと思います…！
あっ、次回はカラー扉付だそうです。
