前回までのあらすじ
クレイジー神父 天堂 vs 公式”悪魔”認定 真経津
…のはずが、
読者からすれば
クレイジー銀行員 御手洗 vs 公式”悪魔”認定 真経津
としか見えないのであった…
本編あらすじ
御手洗と真経津に何かしらの因縁があると悟る天堂だったが、「見るべき相手を誤ってもらっては困る」と真経津に迫る。
「お前の罪を裁くのは 神なのだから」
「それってまさか神父さんのコスプレ? 全然似合ってないね」
「驕れるだけ驕るといい すぐに口から懺悔しか出なくなる」
「罪とか懺悔とかそれっぽいこと言ってるけど もっと上手にやらなきゃ ごっこ遊びは」
睨み合う両者。
そんな中、雪村がゲーム説明を開始する。
「賭金はなんと12億!! 日常では見ることすら叶わない大金を奪い合います!!」
「このゲームはラウンド無制限 選択型カードゲームです」
「プレイヤーの目的は…」
「コチラの”月の石”を集め 相手側の天秤を 自分より高く掲げることです」
そしてプレイヤーの命運を握るのが、2組のカード。
2組のカードのうち、1組は「1」「10」そして「ラウンド数×2」を表す「R」の3枚。
これらは増減する「月の石」の数を示す。…が、タロットカードのように「上下」に意味を持ち、「正位置」なら石の増加、「逆位置」なら現象を表す。
そしてルール上、全てのカードを同じ向きに置くことは禁止。
残る1組は、プレイヤーを示すカード。これは、変動する石の数がどちらの天秤に作用するかを示す。
カードを選択する側はまず、「自分」「敵」のどちらかのカードを選んだ後、裏返された3枚のカードのどれか1枚を選ぶ事になる。
「月の石」が天秤に置かれる事で傾きが変わる…が、天秤の皿を支えている黒い球体は、プレイヤーの「高度」を示すという。
プレイヤーがゲーム中に入る部屋「ブルーボックス」内の空気は、自身の天秤の高さと同期する。
つまり、天秤の上昇と共に減圧され続け、下降に比例して加圧されていくのだ。
傾きの変動は、両プレイヤーが「選択側」を行った2ラウンド毎に反映される。
そして、すべての行動は5分以内に実行しなければ失格。
いかなる理由があろうと、ゲーム終了までは「ブルーボックス」からの退室は不可。
「ま やってみりゃすぐ分かるので さっさと楽しいゲームを始めましょう」
その言葉を皮切りにゲーム準備へ移るギャンブラー達。
御手洗は真経津に、「僕は 買い戻す価値はありませんでしたか?」と訊く。
「んー? 別にそんなことないけど」
「面白くなりそうでしょ? ボクが買わない方が」
その言葉を受けた御手洗は、「なるほど よく わかりました」と返し。
その後天堂へ、「アナタにお伝えしたいことが」と声を掛けるのだった。
一方、誰かの部屋。
”主任”と呼ばれる男が電話先の相手を怒鳴りつけているところを、特0・城之内主任が訪れる。
「多忙な所すまないが緊急だ お前を職場に送れと指示があった」
「そりゃあ朗報だな 誰かさんのメタ読みはバッチリだったワケだ」
男―――朔主任は嬉しそうに答える。
「これで死ぬ程ゲームが造れる もっともっと必要になるからな」
感想
気圧変動ゲーム!
小部屋に水が注入される?かと考えていましたが、まさかの気圧変更でした。
多分後ろにトリコのセツ婆がいるんでしょうね。
さて、気圧が変わる事でどのような影響が出るのでしょうか?
まず、地上は1気圧です。
標高が高くなれば気圧は小さくなり、海の底へ向かえば気圧は大きくなります。
海の底へ向かう事はあまりないと思いますが、自身の体にかかる圧力が増すと考えると…。
逆に気圧が小さくなると、体内のガスが膨張。内臓を圧迫し、痛みや呼吸困難を起こすとの事です。
ちなみに、飛行機が飛ぶ高度10,000メートルは、0.2気圧。
ただし、人体はこの大きな気圧の変化に耐えられないため、機内の気圧を0.8気圧程度に調節しているそうです。
海の場合は、水圧も絡むため、10メートル下がるごとに1気圧増えるそうです。
…さて、今回のゲーム。
「月の石」は1個10kgのようで、例えば「10」を選ぶと100kgの増減が行われます。
そうなった場合、気圧はどれだけ変動するのでしょうか。
「天秤の高さ」自体はゲームの勝敗には直結しないため、実質、相手を5分以上行動不能にさせる事が勝利への道となるでしょう。
双方、無事では済まない事が容易に想像できます。
雪村さんと榊さん
雪村さんのゲームルール説明開始前の掛け声、なんとなく蔵木さんと似てますね。
伊藤班だからかなぁ…。
蔵木さんよりはスマートに説明をこなしつつも、機械を乱暴に叩く場面もありました。
この場面も伏線の一つでは?と勘ぐる声もありますね。
一方、真経津さんの担当行員として登場した榊さん…ゲーム説明にかなり動揺してます。
今までであれば、そこは御手洗君の役目だったはず…。
御手洗君は今までよりは動揺していないようですが、これはゲーム内容を既に知っていたためなのでしょうか。
2人とも笑顔なのに…
御手洗君と真経津さん、少しだけ会話をしました。
どちらも笑顔でしたが、純粋に「ボクが買わない方が面白くなりそう」と思っている真経津に対し、御手洗君は何かこう…様々な感情が渦巻いて、その果てに、あの笑顔が出てきた気がします。
「死に顔を見るだけなら 僕の立っている場所は あなたの横じゃなくてもいい」
御手洗君は確かにそう気付きましたが…
心のどこかでは、「御手洗君に担当行員でいて欲しかった」といった旨の言葉を求めていたのでは。
そこへ真経津さんのあの言葉。
完全に、トドメを刺された…というよりは、背中を押されたのでしょうか。
真経津さんの笑顔と違い、素直な笑顔にはとても見えませんでした。
…うーん、本当に天堂さんの影が薄いです(笑)
御手洗君の「お伝えしたいこと」が、彼にとって吉と出るか凶と出るか。
生きとったんかいワレェ!!
ワレェ=朔さん、生きてました。
嬉しいような…「あれ、結局朔さんは特に命賭けてなかった…ってコト!?」と少~~~しガッカリしたり。
何より不穏なのは、このタイミングで朔さんの生存が明かされたとなると…
御手洗君が入手した残り4種のゲーム、どうなっちゃうんだろう?と不安になります。
普通に出てくることはあるのでしょうか…?
そして、「誰かさんのメタ読みはバッチリだったワケだ」「(ゲームが)もっともっと必要になる」という、気になる発言の数々。
朔さんは今後も、キーマンとして登場しそうです。