はじめに
2025年7月期、ヤングジャンプ新人漫画大賞のスペシャルコンテンツとして、田中一行先生への特別インタビューが5週にわたって掲載されました!
また、ヤングジャンプがX上で不定期に行っている企画、「YJ作家トツゲキ質問箱」に対する回答についても同ページに掲載されました。
大きく分けて、
1.キャラデザについて
2.漫画への取り組み方・考え方(…を回答する上で、先生の各キャラへの印象が出てきます)
…といった構成です。
実際に読んで頂くのが一番ですが、一通り読んだ上での、私の感想を書いていきます。
感想
主人公としての特徴(真経津さん)
まさか「最も表情を描かれるため、前髪があっても目が隠れない」ようなデザインにされていたとは…!
全体的なデザインについては「正体不明」がテーマであるため、髪形は丸めで優しく、場面によって見え方の変わる切れ長の瞳、職業も経歴も分からない服装をしている、との事でした。
また、衝撃だったのが田中先生の中で「作中美形ランキングNo.3」にランクインしていた事…!(笑)
いやいや、真経津さんの事はカッコイイし素敵だしイケメンだと認識はしていましたが、まさかの原作者からの「美形Top3に入ります」認定はさすがに衝撃ですよ(笑)
残る1位、2位については後述します。
計算されたキモチワルさ(御手洗君)
「誰でもない若者」がコンセプトである御手洗君。
一見どこにでもいる若いサラリーマンなのに、弱々しかったり、爽やかだったり、カッコ良かったり、キモチワルかったり…。
外見にあえて特徴を持たせないことで、刻々と変化する御手洗君というキャラクターが際立つんですね。
そういう意味だと、外見に特徴のある真経津さん含めたギャンブラー達とは対照的ですよね。
こんなところで書くのもなんですけど、初期の土屋田さん(※雛形ナイズのすがた)に班のメンバーを口撃されて、反撃していた時の御手洗君が好きです。
その後も別に同僚と仲が悪いわけでは無さそうなのですが…
ドライな感じがするというか…
ああいう御手洗君もまた見たいなあ…。
心を切り替えるファッション(獅子神さん)
「初戦以降、普段着と賭場での服装が変わる珍しいキャラクター」と書いてあり、確かに!!!と膝を打ちました(痛い)
初戦…つまり、真経津さんとの出会いから、成長し始めた獅子神さん。
確かに最初は黒ニットでしたが、その後賭場ではシャツにベスト姿ですもんね。
本音を言うと、キャラクターにはいろんな服を着て欲しい侍なので、他のキャラにも賭場姿と私服姿を切り替えて頂いても良いのですが…
他の強いギャンブラーにとっては「日常と戦いは地続き」という事なので、それは望めなさそうです。
あっ、じゃあ皆さん私服をもっと買ってください。色んな服装見せて!!!
190cmアラサー男性可愛くってゴ・メ・ン☆(黎明くん)
実は一番ビックリしたのが「ピースマーク柄のカラコンは実際に商品として売っているのを見たことがあった」でした。えっあるんだ・・・
えセーターじゃなかった!!??!!(村雨さん)
村雨さんを初めて見た時、「またえらく個性的な(=現実的じゃない)髪形の人が出てきたなあ」と思ったものですが、それも計算しての事だったとは…!
「医者の不養生」がテーマだという村雨さん。
ああ、不健康そうだし、冷え性とかでセーター着てるのかなあ…と思っていたら、アレはセーター重ね着ではなく「襟と袖が白でそれ以外が黒いクレリックシャツを着ています」との事!!!
ええでも…襟元があ…と思ってはいましたが、探しまくってこのようなシャツを発見
https://www.ozie.co.jp/c/mens-shirts/ms_8065epcl-c06c
「クレリックシャツ」とは、襟と袖口が白く、身頃が別の色や柄で切り替えられたシャツの事らしく、
上のように襟が高く、第1ボタンが2つあるシャツの事を「ドゥエボットーニ」というらしいです。
引用のシャツはボタンが黒ですが、これを白にすれば、村雨さんのシャツになる…かも?

でもドゥエボットーニは大体ボタンダウンがついているような…。うーむ…。
美人神父(←公式設定)(天堂さん)
外見を磨く努力をしているけれど、獅子神さんとは方向性が違う、というのが面白いですね。
美しいものを正しいと思いたがる…
その話を聞くと、実際の聖書に記載されている天使の姿は結構エグくて、むしろ悪魔の方が人にとって魅力的な姿をしている…といった逸話を思い出してしまいました。
そして恐らく読者の大半を動揺させた、「真経津のラクガキ入り眼帯をつけることになりました」という設定!!!
ユミピコ…!
美しき異常者(三角さん)
中性的なセクシーさと社会不適合感。
服をまともに着ず、姿勢も常にくねくねとし(これも膝を打ちました!(痛)確かにまっすぐ座っているシーンほぼ無い…)、男性で姫カット。
そういった異常さすべてを補えるように、彼は作中No.1の美形なんだそうです。
ハイ、堂々の美形ランキング1位は、三角さんでした。
ちなみに2位は周防さんだそうです。
(余計な勘繰りでしょうが、周防さんは美を保つためにめっちゃ気を遣っているけど他の2人は何も気にしてなさそう)
ギリギリ普通のファッション(眞鍋先生)
「考えすぎた優しい人」、と田中先生が称していたのがなんだか嬉しかったです。
そうだよ…眞鍋先生は優しいんだよ方向性がなんかアレだったけど…。
小学校教員という事で、見た目のデザインはなるべく普通に…との事でしたが、これ生徒さんからしたら先生常に目が前髪で隠れてます??
うんまあ…まあいいのか???

余談も余談ですが、最後の質問回答ページで田中先生が眞鍋先生のことを「瑚太郎」呼びしていたのがちょっと好きです
意外なところで名前が出てきた黒光さん
田中先生は、基本ジャンケットバンクのキャラは皆怖いので仲良くなりたくないそうなのですが(笑)その中でも、「獅子神さんと黒光さんは友達になったら楽しそう」と語っております。
黒光さん!!??!!
…うーん、まあ、まあ…友達なら??
たしかに仕事上の付き合いじゃなくて仕事関係ないところで出会った友達なら…楽しいかも???
おわりに
田中先生から各キャラクター形成の裏話や、印象が聞けて大満足です…!
また、各ゲームについて、ルール説明の段階でもう決着までの流れが決まっているというのも「なるほど」となりました。
だからあんなに伏線だらけだったのか…。
昨今、キャラクターが「記号化」している作品が多いなあと感じているのですが(※主人公にザマァされる敵役など)、田中先生がキャラクターを創り出す上で心掛けられている事を見ていると、誰一人適当な人間などおらず、みな何かしら役割を持っており、練り込まれているのだな、と分かりました。
そしてそこまでキャラクターを練り込む田中先生だからこそ、数多くの名言も生まれる…。
あんなに難しいゲームを次々と考案される事ももちろんすごいのですが、田中先生の根底にあるものは、「人を見る」事だと思うんです。
黎明くんのように、村雨さんのように人を見て、真経津さんのように人を愛するからこそ、これだけ魅力的なキャラクターが、名言が生まれるのだな、と。
そのように思わされる、重厚なインタビュー内容。
是非皆様もお読みください!!!