前回までのあらすじ
獅子神は黎明に勝つため黎明の事だけを考え、黎明は自分の世界に獅子神を招き入れた。
正しく2人だけの世界で、ゲームは進む───
本編あらすじ
第12ラウンド、黎明が人形を配置する様子を見ながら、真経津たちは獅子神の行く末について語り合っていた。
獅子神は「時間切れで叶黎明を殺す」という脅しをする事で、黎明からハートを贈られている状態。
これは本気の脅しでなければ到底成り立たないわけだが、獅子神は本来人を殺す事を好まない。
少しでも殺意が緩めば、またあっという間に主導権を黎明に奪われてしまう。
2人の戦いはさながら、トラと狐の喧嘩のようなもの。狐が殺す気で立ち向かわなければ、戦いにはならない。
「マヌケが もう区別はついてるんだろうな?」
「自分に足りないモノと 自分に必要なモノの」
獅子神は、自身に足りないモノは「勝つために人を殺せる 正気の欠如」と分析していた。
───オレは得るために 欠けなきゃならねぇ!!
黎明、獅子神ともに人形のセット完了。
12ラウンドの結果は───
【門番】黎明 | 歓迎 | 居眠り | 鉄壁 |
【旅人】獅子神 | ハート | たいまつ | ハンマー |
【門番】黎明のスコア | ハート+1×2 | たいまつ+1 | 変化なし |
ハッピーハート | ロウソク | |
獅子神 | 3 | 0本(無効状態) |
黎明 | 3→5 | 3本→4本/5本 |
ハートを渡してはしまったが、ロウソクを増やし残り時間を減らす事にも成功した獅子神。
黎明は余裕の構えを崩さず「いい感じだね敬一君 オレの誘導に引っかからなくなった」と話すが、その時獅子神の耳にはここにいないはずの人物の声が聞こえていた。
───まったく酷い人だ さっきから何度も話しかけていたのに
───何を迷うことがあるんです? 君はすでに人を殺している
自身がトドメを刺した時雨賢人の声は、「まあそんな風に割り切れていたら 私はこんな所にはいない」「もう彼に勝たせて楽になっては?」「憧れたモノになれなくても 誰も君を笑いませんよ」と”撤退”を促す。
その声を振り切るように人形を配置する獅子神。
黎明は上の空だった獅子神を咎めながら、即座に人形を配置する。
13ラウンド、結果は───
【門番】獅子神 | 居眠り | 鉄壁 | 歓迎 |
【旅人】黎明 | ハンマー | たいまつ | ハート |
【門番】獅子神のスコア | ハート-1 | 変化なし | ハート+1×2 |
ハッピーハート | ロウソク | |
獅子神 | 3→4 | 0本(無効状態) |
黎明 | 5 | 4本/5本 |
わずかに黎明がリードしているものの、順調にハートを増やしている獅子神。
黎明は、「喜びを得るためには その大きさに見合った代償を支払わなければならない」と話す。
何も支払いたくなければ”平穏”という名の退屈が訪れ、何かを求める者には良くも悪くも多くのモノがやってくる。
「敬一君 オレは喜びが欲しい」
「行くとこまで行こう オレ達2人で」
「お前は もっともっと支払えるよな?」
黎明は血を垂れ流しながら、そう言うのであった。
感想
獅子神さんの観察眼
黎明くんを観察している獅子神さんの描写が好きです。
ライフ・イズ・オークショニアで「読み合いを超能力か何かだと~」と考えていた獅子神さん。
そこから全パターンを頭フル回転で叩き出し、相手の様子を見てどのパターンを選択すべきか考え…「見る目を見る目」に目覚めました。
LiAでは「知能犯を相手取る刑事が最も手を焼く人種=臆病者」の視線、今回は黎明くんを殺すための「殺意」の視線…。
どっちもいいですよ。
どっちの獅子神さんも素敵!!!
色んな獅子神さんが見れて私は幸せです。(感想文)
そして観察されている黎明くん
すごい嬉しそうですね。
得るために欠ける
村雨さんの「自分に足りないモノと必要なモノの区別はついているのか」というセリフが引っかかりますよね。
今の獅子神さんは、足りないモノ=必要なモノとして、混同してしまっているのではないでしょうか。
…では、勝つために必要なモノとは…?
シグレケント(ゴーストのすがた)
個人的にはゴーストの存在は信じてますが、ジャケバン世界ではいなさそうですよね。
100%、獅子神さんの妄想でしょう。
黎明くんを殺す、と決意を固めている獅子神さん。
それでも、やはり良心の呵責はあるのでしょう。
時雨さんの姿で出てきたので、言い回しがアレすぎて、逆に獅子神さんの背中を押す結果になってましたが。
行くとこまで行こう
黎明くんそういうヤツだった~~~!!!