前回までのあらすじ
今までとはレベルの違うギャンブラー・村雨。
彼に一杯食わされ、真経津は”有害音楽”を2分間聴く羽目になってしまう。
本編あらすじ
”有害音響ブース”から戻った真経津を気遣う御手洗。
「へーきへーき まだ耳もちゃんと聞こえてるし」
「でもティッシュくれる? 鼻血が止まらない」
村雨と言葉の応酬を交わしながら、「セット」側になった真経津はレコードを配置する。
「さて 今度は私が選ぶ番か あなたと同じように 駆け引きを楽しむとしよう」
耳がよく聞こえない、と返しつつ真経津は「なんでも好きに聞いちゃってよ」「どんな質問でも どうせ顔になんか出ないしね」と答える。
村雨は一つずつのレコードを指さしながら「コレが0秒のレコードか」と問う。
確かに真経津の表情は一切変化しなかったが、村雨は0秒のレコードを見事当ててしまう。
0秒のレコードをブースにセットしながら、村雨は「考えを少し改めるべきか」と真経津の実力を見直していた。
―――あの真経津という男 心の変化が体にほとんど現れない
―――尋常でなく冷えきった心
―――だが
―――後ろにいるアレ あのマヌケはまるで標識…!!
村雨は、真経津の後ろに立つ御手洗の反応で、0秒レコードを当てていたのだ。
だが、その御手洗の様子も含めて策かもしれない、と用心を続ける。
双方がレコードを視聴したため、ゲームは第2ラウンドへ。
「セット」側の村雨は再び、当たりレコードの位置を真経津に教える。
「ナルホドね ようやくわかってきたよ」
「今回もウソじゃない」
真経津が手に取ったレコードのジャケットには、「0:00」の文字。
御手洗は喜ぶが、村雨がまた唐突に「半年程前に手術をした とても清楚で可憐な女性をね」と語りだす。
「彼女は 神のえこひいきを感じる程美しかったが 肝臓は酒で死にかけ 肺はヤニでゴキブリ色 薬の飲みすぎで胃には穴が空きかけていた」
「モノの本質なんてそんなものだ」
「中身はクソが詰まってる」
「0:00」のジャケットの中からは、「3:00」とラベルに描かれたレコードが―――
「ウソをつく時は真実を少し混ぜる それが見抜かれないコツだ」
”レコード”に書かれた時間分演奏を聴く、というルールを再確認する村雨。
是と答えた渋谷は念のため他のレコードも確認するが、0秒、2分のレコードも使用されていたため、反則にはならなかった。
ブースに向かう真経津の背中に、真経津がのたうち回る間に悠々とレコードをすり替える、とイカサマ宣言を行う村雨。
それらを見守りながら御手洗は、ゲーム前に真経津と交わしていた会話を思い出していた。
『組んだ時の予行演習…ですか?』
『せっかく組むなら2人で勝たなきゃ面白くないでしょ?』
『それはそうですけど 僕にできることなんてありますかね?』
『それはまだわからないから それを見つけるために1つだけ約束してよ』
『絶対にボクから目を離さないこと』
『どんな相手とどんなゲームをやることになっても それさえ守れば やるべきことはきっと見つけられる』
御手洗は、村雨が自分の反応を見てレコードを選んだ事に気付いていた。
そんな自分を真経津が追い出さないのは、御手洗に「やるべき事」を教えるため。
このゲームは変則型の数取りゲームなので、どんなに不利な状況だとしても最後に相手に「10分1秒」を引かせれば勝ちになる。
―――一度だけっ…!! 一度だけでいい…
―――最後に僕が騙すんだ!! この悪魔を……!!
感想
真経津さんの実力は認められたが…
強敵に認められるとちょっと嬉しいですね(笑)
真経津さんの心が冷え切っている事、心の変化が体にほとんど現れない事―――が村雨さんの分析結果から出ました。
心が冷え切っている、というのはどうなんでしょう…
ギャンブル以外の場面では楽しそうに過ごしている姿が多い真経津さんですが…
え…本当は楽しくないとか…?
ギャンブル時は”楽しむため”に心を冷やしきっているのか、それとも…?
ルールの裏をかいてきた!
「気分屋ルーシー」では、当たりを1ヵ所以上設定するルールを逆手に取り、全ての鍵穴を当たりに設定する事で、獅子神さんに勝利しました。
そして今回村雨さんが行ったのは、ジャケットとレコード本体を入れ替えるという策。
確かに、「演奏時間が違うジャケットにレコードを入れてはいけない」「すり替えをしてはならない」というルールはありませんでした。
…すごいです、前回のゲームでやった事が、そのまま返って来るとは!
村雨さんがいかに強敵であるかよく分かりますね。
御手洗君…
今のところ、村雨さんに真経津さんの手を教えるための標識になってしまっている御手洗君。
確かに、御手洗君がそこから脱却できれば、村雨さんを騙す事は出来そうですが…
タイムリミット5分1秒までに、御手洗君は、その手を見つける事が出来るのでしょうか。
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