前回までのあらすじ
御手洗(ミタライ)君のMPが大変。

本編あらすじ
誰が何を賭けていようと、自分にとって楽しみに勝るものはこの世にない。
自分が楽しむために叶(カノウ)のための聖水を取っておいたという真経津(マフツ)の言葉に、叶は「可哀想なやつだ」と言いながら笑顔で聖水を飲み干す。
直後叶が見たものは―――
大量に吐血する、真経津の姿。
真経津は苦しみながらも、観測の弱点を語りだす。
「”観測”の」
「最大の」
「弱点は」
「観測する人によって」
「結果が変わり得ることだ」
「……でも何より重要なことは」
「自分の出した答えを 信じ抜く執念」
真経津は、叶の観測が正確過ぎて早々に読み合いを諦めた事、毒殺狙いの作戦も毒の正体を見誤ったせいで瓦解していた事、毒に色なんかついていなかった事、込み上げる血を死ぬ気で飲み込んで堪えていた事―――
その結果、叶が聖水を飲んでしまった事を告げる。
「”運命の器の液体を不当に減らした”ため 叶様は反則行為により失格となります」

「え」
「な」
「たッ…」
「なんだそりゃあぁぁああ!!」
「楽しむんじゃねぇのかっっ!!?」
命など惜しくないと、楽しみに勝るモノなどないと言っただろう!と激昂する叶に対し、真経津は「何も矛盾してないでしょ?」と返す。
「命はチップなんだ」
「賭けるのはいいけど 無くしたら遊べない」
「もっともっと楽しむために 手段を問わずボクは勝つ」
倒れ込みながら真経津は
「君の最大のミスは 毒の苦痛を比べてしまったことだ」
「"オレがこんなに苦しいのに アイツが平気なのには裏がある"」
「他人の苦しみなんて 無視すれば良かったのに」
「叶さん」
「これで わかったろ?」
「鏡の中に 君を助ける答えはない」
アンハッピー・ホーリーグレイルは終幕。
しかしそれはあくまでも、ギャンブラー同士の話。
ゲームを監視していた伊藤(イトウ)と雪村(ユキムラ)は、昼間(ヒルマ)が目的を達成した事を確認する。
「叶 黎明は生存 御手洗暉は キャリア100年の負債を負う」
「人は愛のために金を積み 憧れを並ぶため金を払う」
「それが”決意”だと信じている人間を―――」
「オレ達の班では ”カモ”と呼ぶ」
叶は昼間に支えられ退場。
昼間に気絶させられた御手洗は、真経津の隣に倒れる。
このゲームで”敗北”したのは、御手洗ただ一人―――
感想
意外な決着
まさかの、黎明くん反則負け…!
今まで、ジャンケットバンクのゲームにおいて「反則」の概念はあったものの、それがゲームの勝敗を決する事はありませんでした。
確かに言ってましたよね!「液体を不当に減らすと反則」だと。
真経津さんが飲むはずだったものを黎明くんが勝手に減らした、という解釈になるんでしょうね。
そして黎明くんは、本当の本当に強者だったようです。
真経津さんが早々に読み合い合戦を諦めるとは…!
今回の真経津さんの勝ち方は、雛形さんとのゲームとは対照的だなと感じました。
雛形さんも黎明くんも、高い能力の持ち主。
ただし雛形さんは見たいようにしか見れず、そのためジャックポット・ジニーの真のルールを見誤りました。
対する黎明くんはアンハッピー・ホーリーグレイルのルールを理解しつつも、最後の最後で真経津さんに惑わされ、失格。
雛形さんとの戦いでは、いかに真のルールに気付かせないようにするか。
黎明くんとの戦いでは、いかに偽の情報にのせるか。
似ているようで、勝ち方が違っているな、と感じました。
「世界はボクに興味がないから ボクは自由だ」
真経津さんは楽しく遊びたい人ですが、世界が何でも思い通りになるとは思っていないリアリストでもありました。
黎明くんはポツリと「羨ましいな」と呟きます。
何なんでしょうね…。
どういう風に生きていれば、こんな考え方になるんでしょう?
謎だらけの真経津晨という人物像に少し触れられた気がして、この1ページは個人的に好きです。
昼間くんヤベェな
宇佐美班が把握していなかった昼間の能力。
それは、”人が「財布の紐を緩める」対象を見抜き、相手に無謀な賭けを受けさせる”もの。
これは…カラス銀行では強過ぎる能力じゃないですか(笑)
そして昼間くん、ずーっと携帯を見ていたのはゲームをしていたようです(笑)喰えないやつだ…

さらば御手洗君
ジャックポット・ジニー 以来 の 腹パン が 御手洗君 を 襲う !
「とりあえず寝ててもらうぜ オマエが叶を 殺すかもしんねーからな」
それは確かに…私も考えておりました(笑)
負債100年となった御手洗君。
どうやら、オークション送り決定のようです。
獅子神さんに買ってもらえればワンチャン起死回生あるかもしれません…が、獅子神さんが買うのはあくまでも「自分に負けた相手」ですし、御手洗君を救う義理は特にないんですよね…。
一体どうなるんでしょう…!
