前回までのあらすじ
村雨が”問診”を始めた事により、形勢が変わり始めたピーキー・ピッグ・パレス。
果たして次のラウンドは───?
本編あらすじ
牙頭が親番であるにも関わらず、オオカミを封殺されてしまった第5ラウンド1戦目。
続く2戦目は、漆原が親番スタートとなる。
現実的には自分たちの方が圧倒的に有利と思いながらも、村雨と天堂の言葉に心が揺さぶられる。
「あなたは間違っている」
「いや間違ってるというより わざと目を逸らしていると言うべきか」
「全てのものは等しく無価値で 世界はくじびきで決まる もしも心からそう信じているのなら」
「なぜ熱心に守り続ける 隣のデクの坊を」
「お前達はお互いに 互いの過ちに気づいている」
「神は待てるぞ 人の子が迷い尽くすまで」
牙頭は憤っていた。
───オレには 価値がある
───テメェの欲に従って テメェの欲しいモノを得る
───テメェの力で 世界は変わるっていうことを オレは 示してやらなきゃなんねぇんだ!!!
「…ガッちゃん」
「すまない」
プレイヤー | カード | 残り手札 |
牙頭 命:4 労:4 | レンガの家 | 木の家、藁の家 |
【親】漆原 命:3 労:1 | オオカミ | レンガの家、木の家 |
村雨 命:2 労:0 | オオカミ | 木の家、藁の家 |
天堂 命:1 労:3 | レンガの家 | 藁の家、オオカミ |
村雨が「オオカミ」を出した事に驚愕する漆原。
村雨以外が「レンガの家」を出せば、「オオカミの憤怒」で自爆する事は必至だった。
だからこそ村雨が「オオカミ」を出すはずはないと踏んで、自身は「オオカミ」を出したのだ。
───完全に 心を見透かされている
───僕たちはいつ どこで間違えた?
時は2人の出会い、高校時代に遡る。
学校首席の漆原は、嫌われ者でありながら「本気で試験を受ければ漆原は敵わないだろう」と噂されている牙頭の事が気になり、話し掛けていた。
あけすけな態度で、牙頭の心情を見抜く漆原。
そんな漆原に素直に自身の夢を語り、漆原の”目標”を聞いた牙頭。
2人は、大学受験を控えた時期には無二の親友となっていた。
いつも模試で2位になっていた漆原は、目標とする大学には常に1位の人間に勝って首席で合格したいという目標があった。
「じゃあちょっと行ってくるよ ガッちゃん」
「二番手なんて許さねえぞ 俺は受けねーんだからな」
感想
冒頭のページ
「自分が得たモノに目が留まり 得ているからこそ注目できる」って、めっちゃ分かります。
ニューバランスのスニーカー、アップルウォッチ、ベビーカー、犬を散歩させている人…。
買ったり、家族が増えたりした途端、「あれ、この町こんなにベビーカー多かったっけ?」となる事、ありますよね。
すれ違ってるのか…
前回宇佐美主任が指摘していた通り、「互いが少しだけ相手を自分より大切にしようとする意志」があるみたいですね。
村雨さんが「なぜ熱心に守り続ける 隣のデクの坊を」と口にした際、牙頭さんは「え?」みたいな反応でしたし、
牙頭さんが「自分の力で世界が変わる事を示してやらねばならない」と思っている相手は漆原さんのようですし。
2戦目の結果
これは完全にゲームが流れてしまいました。
注目すべきは、残り手札です。
プレイヤー | カード | 残り手札 |
牙頭 命:4 労:4 | レンガの家 | 木の家、藁の家 |
【親】漆原 命:3 労:1 | オオカミ | レンガの家、木の家 |
村雨 命:2 労:0 | オオカミ | 木の家、藁の家 |
天堂 命:1 労:3 | レンガの家 | 藁の家、オオカミ |
赤くしたところが注目ポイント。
この中だと、天堂さんのみ攻撃が可能です。
そして漆原さんは、レンガの家を持っている。
牙頭・漆原ペアとしては、「平和な世界」を成立させなければ危険。それは実質、村雨さんと牙頭さんの一騎打ちになります。
そう。普通に考えれば、漆原さんは「レンガの家」を出すはず、なのですが…
…
さて?どうなるのやら…
か、過去編!!?
ここまでガッツリ尺を取る過去編って、初めてじゃないでしょうか!?
意識が高過ぎて嫌われていた牙頭さん。
カテナチオの嵐木君を思い出しました…。
出典:カテナチオ 1巻
金稼ぎの効率は悪くとも、「気に食わねぇ奴以外にはとびきり美味いメシを出す」レストランをやりたいと考えていた牙頭さん。
テストを「下らない」と称しつつも、努力が実る喜びを大切にしていた漆原さん。
素敵な高校生やん…
なんでギャンブラーになっちゃったの??
途中牙頭さん?の回想に登場した事故車、漆原さんが勝ちたいと思っていたN高の上杉という高校生。
この辺りが、現在の2人を作り上げた鍵になってるんでしょうね…。