前回までのあらすじ
わちゃわちゃ過ごすギャンブラー's。
一方御手洗は、堕ちるところまで堕ちていたのだった…。
本編あらすじ
オークション当日。
108号室で朝を迎えた御手洗の目に飛び込んできたのは、昨日チョコバーをくれた男の首吊り死体。
「えーぇ?」
事態を呑み込めていない御手洗とは対照的に、同居人の片方の男は喜びはしゃいでいた。
「……コレなんなの?」
「何って自殺だよ自殺!! 見りゃわかんだろ」
はしゃぐ男は、夜中に男が自殺を図った事に気付き、静観。
そして、残った男の”遺産”を手に入れていた。
その様子に、御手洗はとうとう我慢の限界を迎える。
「うんざりだ どいつもこいつも 見渡す限りクズしかいない」
御手洗は男を壁に叩きつけると、なぜ彼を見殺しにしたのか、と詰め寄る。
だが男は悪びれる様子もなく、「クソ偽善者に1つ教えてやるよ」と話し出す。
曰く、彼は御手洗が話を聞いてくれた、それだけで満足して死んでしまったのだと。
「クズのくせに哀れんでんじゃねーよ」
「いつになったら現実見んだ テメーはなんもできねぇ!!」
『夢を諦めるくらいなら 夢の途中で死んだほうが納得できる』
「自分のことも面倒見れねぇ奴が イキって人の世話しようとすんなボケ!!」
『真経津さんは』
『真経津さんが』
『真経津さんの』
『真経津さんに』
「イカれてんのはオメーだよ 人殺しが善人ヅラしやがって」
御手洗の脳裏に浮かぶ、雛形の姿。
雛形の死に様を、笑って観覧していた客達。
必死に否定する御手洗。
だが、それならどうして自分はここにいるのか―――。
オークションの前準備が始まった。
複数のカメラに囲まれた椅子に座り、質問を受ける御手洗。
『アナタは何ができますか?』
そもそも、何か出来た人間であればこんな所にいるはずがない。
あまりにも意地の悪い質問だったが、それでも御手洗は「計算ができます…!!」と答える。
『…それは素晴らしい』
『でも少々割高な気がするね』
『”電卓”なら ボクのスマホにも入ってるよ』
『ハハハハハハッ』『ハーッハハハ』『アハハハハハハ』 『ハーッハハハ』『ア―――ッハハ』『ハハハ』『フフフフ』『ハーッハハハ』 『ハハハハハハッ』『アハハハハハハ』 『ハハハ』
昨晩男がくれたチョコバーを握りしめへたり込む御手洗。
と、そこへ声を掛ける人物。
「やっぱり売れ残ったか 特4宇佐美班 御手洗暉君」
「まあその方がありがたい 不躾だがオレの提案を聞いてくれ」
「ゲームに出てみないか? 正真正銘最後の蜘蛛の糸だ」
「……あんた まさか…行員!?」
「特別業務部2課”特別企画管理課”朔 京治(サク キョウジ)」
「ここに来る前はゲームを作ってた」
感想
開幕人死に
のっけから御手洗君のNEW顔芸…いや、チョコバーのおじさんが自殺しておりました。
実際死体を見かけたら、悲鳴を上げるよりも頭の理解が追い付かずあんなリアクションになりそう…
茶髪なのか金髪か不明ですが、あの男…仮にクズ男としておきますが、クズ男なりに彼の発言で状況が理解できます。
チョコバーおじさんは、既に死ぬ理由を探していた。
話を聞いてもらった事で満足して死ぬ…。
何ともやり切れません。
雛形さん…
追い詰められた御手洗君が雛形さんの顔を思い浮かべた事に、ちょっと感動してしまいました。
雛形さんも死ななければ、先週仲良くしていたギャンブラー'sの仲間に入っていたかも。
けれど雛形さんは、ゲームで死んだ。
雛形さんの「死」に意味があったと、このシーンで感じさせられました。
ちなみに、追い詰められた御手洗君がズズズってます。
クズ男との友情が芽生える……はずもなく。
このズズズは、御手洗君覚醒のきっかけとなるのでしょうか。
アピール下手かっ!
『アナタは何ができますか?』の問いに、「計算ができます」と答えた御手洗君。
確かに御手洗君の計算能力が凄まじいことを読者は知っていますが、落札者たちが知っているわけありません。
このやり取り、なんだか就活面接を思い起こさせます…。
カラス銀行に入行した御手洗君なら、きっと就活も卒なくこなしていたのでしょう。
しかしやはり、この異常な環境、食事もロクに取れない状況に弱り切って、冷静な回答は出来なかったのだと思います。
ちょっと何かありそうだった同居人が…!
ずっと本を読んでいた、ちょっと何か意味ありげだった同居人。
やはり只者ではなく、元行員でした。
…しかし、ゲームを作っていた行員がオークションに来てしまうとは、一体どうして…?
そして彼・朔が誘うゲームとは何なのか。
何もかもが気になり過ぎる終わりでした…!
人気コミック絶賛発売中!【DMMブックス】