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【ジャンケットバンク】第125話 さようなら、気を付けて【ネタバレ】

2023年8月24日

前回までのあらすじ

理の外へ。

本編あらすじ

温度差で部屋を破った真経津に対し「当てずっぽうの博打だ」と叫ぶ眞鍋。

だが真経津は、ゲーム開始前のルール説明でこの答えに辿り着いたと説明する。

100℃の熱波に2人とも耐えられたら───このルールは、ペナルティを耐え抜く方法がある事を示唆している。

室内の椅子も机も床に固定され、部屋を割る道具に出来ないようになっている。

水を運び込む時ですら、台車を室外に置いて部屋を傷付けないようにしていた。

さらに、ゲーム開始時白金が一度だけ話した「ガラスの牢」という単語。

全ての要素が この部屋が崩れる可能性を示していた

ボクは君と違って 世界を疑えるんだ

「読み」の何もかもを正解していた眞鍋。

唯一誤解していたポイントは、「真経津と眞鍋、2人の目的は最後まで同じだった」という事。

立派とか未来とか将来のために 苦しみながらつまらない今を全て浪費し続ける」
そんなのが世界なら 壊して出ていった方が幸せだ
眞鍋さん これでわかったろ

「鏡の中に 君を助ける答えはない」

真経津の言葉に、眞鍋は力が抜けたかのように座った。

先ほどまでの荒々しさとは一転、静かに「子供たちは 完璧なルールがなくても幸せになれるか?」と真経津に問う。

もちろんだよ なっちゃいけないってルールもない

真経津の返事に「やっぱり成長には価値があるな たとえ今日が最期の日でも」と微笑む眞鍋。

やがて最終ラウンドの待機時間が終わる。

両者生存のため、ペナルティである100℃の熱風が吹き込む。

生存確率0%の死の熱風!!
熱戦にふさわしい最期をどうぞご覧ください!!

「先生 さようなら」

「ああ 気を付けて帰れよ」

あたし おかしばっかり食べちゃうの」「これじゃあ りっぱなおとなになれない?
オレ宿題忘れてゲームやっちゃう」「またミーコとケンカしちゃった」「今日も給食全部食べられなかった

ベンキョーわかんねぇよオレバカだもん」「人とうまく喋れない…」「受験失敗しちゃったよ

また既読無視なんだけど」「なんでアイツばっかり褒められるの!?私は!?」「寂しい…」「内定もらえねー終わりだわ
夢ってなきゃだめ?

気付いたら歳だけ取ってんだよ!! そろそろ結婚しなきゃだめ? やりたいことなんかねえって!! ナメられてる!!バカにされてる!! まーたソッコウ仕事辞めちゃった!! 何がわかんねえかもわかんねえ!! できないんだよ!! 才能ないの!! あんな言い方するつもりじゃなかったのに!! 子供にまた怒鳴っちゃったの!! アイツより金持ってない!!物持ってない!!

いいんだ

君たちには たくさんのマルがついてる

幸せになってください

感想

隠されていた「裏ルール」

100℃の熱波に2人とも1時間耐えられたら」…確かに、普通に無理ですよね。

「タフツさん」ならひょっとして…!?という話もありましたが(笑)

そして、机と椅子の固定!!

たしかに入室時、真経津さんが室内を眺める意味深なシーンがありました。

よく見ると固定されてるんです…!

そして、

そんなに温度差エグいゲームならガラス壊れちゃうんじゃないの?

と思っており、私はそこを勝手に「まあ、カラス銀行特製の強化ガラスなんやろな!ガハハ!」と脳内補完していたんですよ…!

強化ガラスだなんてどこにも書いてない…!

しかしまぁ、ワンヘッドまで到達した先生がそういったルールを見落とすか…?という疑問があるのですが、

強者過ぎるため、真経津さんが指摘した通り「世界=ルールを疑っていなかった」

この点に尽きると思います。

今回も、プレイヤー同士に力の差がなければ2人とも焼死、暗黒金持ちはエンジョイ。
力量差があればそもそも圧勝して終了。
となると、なかなか裏ルールに気付くギャンブラーはいないのかもしれません。

もうちょい踏み込み

「ガラスの牢」の話が出た際の、白金主任の表情。

…ワザとですね。

これ、ワザと「分かるようにヒント」を渡しているんですね…!

このシーンについてですが、第3話の宇佐美主任の言葉が浮かびました。

本物のギャンブラーとは恐るべき存在です
彼らは周囲を巻き込みながら破滅へと向かう災害だ」「隙を見せれば必ず銀行に害をなします
サーカスのライオンと調教師のように 秩序によって獣たちを操るのが我々の仕事です

気付くか気付かないかといった危ういヒントで、猛獣を操る。

主任クラス…もとい、銀行員の恐ろしさを垣間見ました。

蔵木さんとかヒントを出すのを忘れて「あ ヤベ」で済ますか、不自然なタイミングでガラスアピールしそうだなぁと思いました(笑)
(でもアンハッピー・ホーリーグレイルの進行大好きですよ!)

蔵木さんといえば、今回真顔になってましたね。

蔵木さんの真顔、コミックス12巻のオマケ漫画にて初めて見たような気がします。

なので個人的には2度目ですが、公式にはこれが初。

ですよね?違ってたら申し訳…

眞鍋先生の敗北が、本当に信じられなかったのではないでしょうか。

気を付けて帰れよ

…。

いやもう、本当…。

本当に、読んで泣きました。

家で読んでよかった。

めちゃくちゃ泣きました。

最期まで、子供たちが幸せになれるか、その点を気にかけていた眞鍋先生。

「なっちゃいけないルールもない」んだという事を伝える真経津さん。

2人の気楽な挨拶が、一つの授業の終わりを告げる。

花丸満点だと思っていた自身もまた立派な大人ではなく、しかし今この瞬間成長したと感じ。

「処刑」まで行っていた大人たちにすら、たくさんのマルがついていると認めた。

…断言します。

これは、ジャンケットバンク史上、最高の戦いでした。

ジャックポット・ジニーも、「度肝を抜かれた戦い」として私の中に深く刻まれています。

しかし今回は、シヴァリング・ファイアは…かつてないほど、切ない気持ちにさせてくれる終わり方でした。

真経津さんはかつて、「お友達になれそうな相手」にはゲーム後生き残るためのヒントを与えてきました。

しかし、ワンヘッドではそれが出来ない。

真経津さんが勝つ イコール 対戦相手は死ぬ。

命の奪い合いだというのに、真経津さんと眞鍋先生、この2人の間には憎しみや恨みといったものは一切なく、ただただ「一つの授業」を行った相手でした。

真経津さんは卒業していき、先へ進む。

誰もいなくなった教室から、眞鍋先生はエールを贈る。

今回のゲームは、読者に美しい傷跡を残していきました。

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