前回までのあらすじ
音楽を鳴らす本体、チップを見つけたと言う真経津。
真経津の姿に”鏡”を見る村雨だったが、村雨はその”鏡”を打ち破る―――
本編あらすじ
村雨は真経津の行動に敬意を表しながらも、「自分に仕組みを教えたマヌケ」と罵る。
命懸けで掴んだゲームの本質は、時間にも体力にも余裕のない真経津には到底扱いきれないもの。
「0秒レコード」のチップはまだまだあるのだから、自分でも移植は可能だ―――
そう語った村雨に対し、真経津は
「セット」
と言い放つ。
唐突な宣言に村雨と御手洗はあっけに取られる。が、渋谷だけは真剣な表情でそれを聞いていた。
「なぁにが”セット”だこのマヌケがっ!!!」
大笑いする村雨に渋谷は「”セット”宣言後にレコードに触れたため 村雨様は そのレコードを選択したとみなされます」と進言。
「だからなんなんだ?」
「私はこのレコードを選ぶつもりで印をつけた チップの正確な位置が わかるからな」
村雨はこの後、全てのハズレレコードに「0秒」チップを移植するという。
ゲームの敗北条件は、「10分1秒」以降の音を聴くことそのものではなく、「レコードを返却できない状態になること」。
現在の体力からしても、このままお互いに「0秒」を選び続ければどちらが先に倒れるかは明白。
そう語る村雨に「君の言葉は聴こえないけど」と前置きしつつ、真経津は「やっぱり君は 見たいようにしかものを見れない」と言う。
真経津は、村雨が印をつけていないレコードのジャケットをひっくり返す。
そこに記載されていた時間は「0秒」。
「え?」
真経津が3枚全部のレコードをハズレにするなら、「0秒」レコードにチップを移植するはず。
真経津は、ダメージを負ってまでペナルティを受けるメリットを3つ語る。
一つ、ペナルティの情報を独占できる。
二つ、身体の変化を読まれにくくなる。
三つ―――真経津が命をかけて見つけた”真実”を、誰も嘘だと思わないこと。
「レコードにチップなんて入ってないんだ」
「んなっ…」
「なふ…」
「ふざ…」
「ふざけたことを抜かすなマヌケがっ!!! こんな馬鹿げたことがあるかっ!!!」
今まで自分にアタリを教え続けていたのも、死の一歩手前まで血を流し続けたのも、たった一度自分を欺くためだったのか、と驚愕する村雨。
話が噛み合っているか分からないが、と言いながら、真経津はペナルティを受けていた時の事を話す。
真経津は実際に針を折ったしレコードも割った。
それでも曲は流れたため、イカサマ出来る可能性は消えたが、一つだけ揺るぎない真実を手に入れた。
「たとえどんな状況だろうと 選んだレコードは絶対に再生される」
渋谷はそれらしい動きをしていなかったため、恐らく別室で監視している誰かが遠隔で操作しているのだろう、と断ずる真経津。
そして自分の嘘を信じてもらうため、村雨の助言を活かした、と言いながら真経津は、先ほど取り去ったレコードのラベルを取り出した。
そこに表示されている時間は「3:00」。
「”嘘をつく時は真実を少し混ぜる それが見抜かれないコツだ”」
「ヒトの話は聞いておくもんだね まだ聴こえる内に」
感想
チップの話が嘘とは…
恐らく、誰もが真経津さんの話を信じていた事でしょう。
レコードで音楽が再生されるわけではない ⇒ 分かる
音楽を再生する本体が別にある ⇒ 分かる
そこで「チップ」の話をされれば、「なるほど~」となりますよね。
しかも真経津さんは、チップの実物っぽい物を持っていたのですから。
あれはレコードを折った際の破片?なのでしょうか…
思えば前回、真経津さんが「チップ」を取り出した時、渋谷さんは「何だそれ」みたいな表情をしていました。
チップなんて存在しないから、あんな表情だったのですね。
しいなさん達、監視しているだけかと思っていたら…
なんと、有害音楽を流す係はしいなさん達でした。
再生画面、よく見ると音量最大になってる…(怖)
今後は御手洗君にも、こういう役割が回ってくる事があるのでしょうか?
真経津さんの担当行員になるとしたら、そういった裏方作業はあまりやらないかも?
これでゲームは決着…かと思いますが、この後まだ一波乱あるのでしょうか?
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