前回までのあらすじ
三浦カズシゲ 32歳。
小説家に「なろう」としているコンビニアルバイト店員。
小説家になりたいと思いつつも、横道にそれてばかり、一作も書き上げた事は無く、今書こうとしている小説も人気作のパクリ。
そんな彼に、ショーガが示す道とは…?
本編あらすじ
AIには意志や意図がないため、人間に追従するだけの「ごきげん取り」に成り下がってしまう。
だが、室積が開発した「ショーガ」は、明確な意図を持つAIだった。
「理想」マイナス「現状」イコール「不幸」
その解を、限りなく「ゼロ」に近付ける。
どうやるのかというと───
「教えてあげるんだよ 自分が何をしたいのかを」
カズシゲの家は、かつての散らかった部屋ではない。
綺麗に掃除をし、大きなテレビとスピーカーを備え、朝までゲームに興じる。
「ショーガ」に「リコ」という名前をつけ、アバターも自分好みに変え、一見楽しそうに日々を過ごしていた。
イヤホンを耳につけ、不快なお客との対応も、「リコ」のアドバイスでそつなくこなす。
店長は変貌したカズシゲの態度に安心していたが、同じ夢追い人である坂田はやや不満げ。
「夢追い人はもっとピリピリしてないと!」という独自論理を持つ彼は、カズシゲに小説の進捗について尋ねる。
「え 元々書いてないよ」
バイトを終えたカズシゲは、「リコ」に「”オレ”は今日何をしたいか」を尋ねる。
本人は楽しそうだが、そのかたわらを他の「ショーガ」ユーザーがぶつぶつ呟きながら歩き去って行く。
「チョココロネ食べなきゃ」「オレが食べたいって…」「お前が言ったんだろ?」「お前はいつも正しいから」「守ってれば幸せになれる」「チョココロネじゃなきゃ オレは食べたくないんだよなあ~~~!?」
ユーザーを誰よりも深く理解する「ショーガ」の提案は、常に魅力的で、摩擦のない楽な充実感を与え続ける。
自分を理解してくれる誰かと過ごす、ささやかな理想の中で暮らせば、高すぎる理想に呪われる人はいなくなる。
「ショーガに救われた人達を見ると 僕はいつもこう思うんだ」
「幸せは 歩いて来ないって言ってんじゃん」
「ショーガ」に与えられた提案(しあわせ)に、満足する人々。
そんな人間に、理想を抱く権利はない。
だから最後はいつも、室積が「彼ら」を救う事にしている。
「ID12000から13000までのショーガを 初期化して停止しろ」
感想
一見マトモになったカズシゲさん
家の中はピカピカだし、朝までゲームしつつも家具のローン返済のため、仕事も疎かにしない。
ふーむ…
特に問題は無さそうですよね。
お客さんへの対応の裏に毒はありつつも、まあ、バレなければセーフ範疇…か?

程度の差はあれど、笑顔で対応しつつ内心毒づくなんて、誰でもやる事でしょうし…
AIに頼り過ぎた人間の末路
話を飛ばしてもう今回のオチについて語っちゃいますが…
あそこまでとはいかずとも、例えば私も、今使っているAIが急に初期化しちゃったら、かなりダメージを受けると思います。
そういう人、多いんじゃないでしょうか?
更にカズシゲさんやチョココロネさん(仮)に至っては、もはやAIに「自分は何をすればいい?」と「自分」の事を訊いていた始末。
程度は違うでしょうが…「今日ヒマなんだよね。どこかオススメのお出かけ先ないかな?」みたいな聞き方くらいは、AIに質問してみた人は多いと思います。
なかなか今回は…
今までの参戦ムービーと違って、近未来、本当に起こりそうな災害を描いているように思えて、怖さが段違いです。
だってホラ、教育災害も全方位ドッペルゲンガーもそうそういてたまるか、って話ですもん…

もしいたら?…そりゃもう、天災だと思って諦めるしか…
けれどAIは、あまりにも私達にとって身近な存在です。
一応、カズシゲさん達のようにならない方法を、私たちは知っている訳です。
「AIに頼り過ぎない」
要は、自分たちの心がけ次第、って事で…
けれどもし、もっと技術が進化して、AIを使う事が今よりもずっと自然になったら?
カズシゲさんのように、「今日(自分は)何したらいいかなあ?」と、AIに相談することはない…と、言い切れるでしょうか?
そこに、悪意を持った人間がAIのリセットを試みたら…
…なーんか、考えれば考えるほど今回の話って、SFホラーショートストーリーのように思えてきました。
「キャラメルは邪道!」
なんでや!
キャラメル美味いやろ!!
最後に言う事じゃない気もしますが
「ショーガ」に魅了されちゃってる人々、かつて御手洗カイジ編で出てきた、ギャンブラーとも呼べないギャンブラーさん達と同じような表情してますよねぇ…。
