前回までのあらすじ
第10ラウンドが終了。
朔こそこのゲームの黒幕だと断じた御手洗だったが、まさかの床シャッフルが始まり―――
本編あらすじ
床一面が「ハート」で覆い尽くされたゲーム会場。
当然ながら、「ハート」がセーフエリアというはずもない。
だが御手洗は、焦る事無く一か所のエリアに立った。
「なぜそこに?」
朔の質問に御手洗は、自身が立っている”A-2"の床は、ゲーム中一度も「ハズレ」に指定されなかった、落ちない床だと断じる。
「”表示と同じ柄の床に立つな” ルールで言われたのはそれだけだ」
「”床が抜け落ちて死ぬ”とは明言されてない」
「ここが真の安全地帯 アンタが一人で生き残るためのな」
御手洗の回答に朔は「聞いてた話より全然優秀だ」と喜色満面。
解説を聞きたくてカウントを待たせていた、という朔は、カメラに向かって「もういいぞ」と合図する。
「アンタ 一体何なんだ?」
「行員だよ バリバリ現役だけどな」
「特別業務部2課 朔班"主任"だ」
それを聞いた御手洗は、「まいったな 実は長所なのかも 人にナメられるって」と言いながら、朔を掴む。
「"極秘"情報を教えた 僕を殺すつもりだったな?」
掴んだ朔を、別の床へ投げ飛ばす。
御手洗の脳裏には、死にゆく雛形―――から見えていたはずの、おぞましい自身の笑顔。
「あの時の僕には無理だったけど 認める覚悟ができたよ」
「僕は 楽しみのために他人を殺せる」
電撃のブザー音が、終幕を告げる。
「オレのプレミだな GG」
二人に電撃が走る。
朔は落下し、ゲームは御手洗の一人勝ちで幕を閉じた。
御手洗は再び、オークション会場へ。
最低落札価格は1億3812万5216円。
『あなたは何ができますか?』と、初回と同じ問いかけがなされる。
「何がって ゲームを見てただろ?」
「あんたらは高額なモノをありがたがるような貧乏人じゃない モノの価値は自分で決められるはずだ」
「僕を銀行に戻せ」
「賭場をもっと盛り上げてやる」
スピーカー越しに響く、『1億4000万』の声。
それからも次々と『1億4500万』『1億6000万』『1億7500万』『2億1000万』と価格を吊り上げる声。
『3億3403万5200円』
『ゲストNo.224様 3億3403万5200円で落札です』
その金額に、御手洗は涙を流す。
その数字―――33403520は、真経津と雛形が戦った「ジャックポット・ジニー」で雛形の命を奪った金貨の枚数を想起させるものであった。
ここ最近でトップクラスの売上となった御手洗に、城之内はゴキゲンで御手洗の”検品”を行う。
この後の流れを質問する御手洗に、城之内は「通常なら我々がお前を配送する所だが なんと今回はオーナー様が迎えにいらしてる」と答える。
「よっぽどお前が必要らしい せいぜい可愛がってもらえ」
待機室のドアが開き、姿を現したのは―――特四 伊藤班主任・伊藤吉兆。
「もっと愛想よくできんのか? 新しい上司に」
感想
朔さん、良いキャラだったが…
お亡くなりになってしまいました…。
朔さんが最期に残した言葉、
プレミ:プレイングミス
GG:Good Game、ゲームを完走した相手を讃える言葉
という意味らしいです。
最期までゲーマーらしい姿勢、粋です。
さて、朔さんはお亡くなりになってしまったものの、謎はまだいくつか残っています。
朔さんが見せてきたあの誓約書は?
結局何が書かれていたのでしょう?
御手洗君はあれに書かれていた内容を見て、ゲームへの参加を決めたように思えます。
となると、何かしら意味のある内容が書かれていたはずですが…。
朔さんは誰かの指示で御手洗君に接触したのでは?
「聞いてた話より全然優秀だ」といった発言からも、誰かから御手洗君の話を聞いて狙って接触してきたのは確実です。
ちょっと有り得そうだと思ったのは宇佐美主任ですが、朔さんは最終的には御手洗君を殺そうとしていたようですし、そこまでヤバ目の相手を送り込むでしょうか…?
……いや、完全否定しきれないのが何とも…ですが…
御手洗君レベルアーップ!が…
御手洗君の衣装も、今までの白シャツから、ダークカラーのシャツへチェンジ!
いいですね、悪属性が増してる感じがします。
しかし最後、恐らく読者の12割くらいが真経津さんのお迎えを期待していたところ…レベルアップした御手洗君でもヤバそうな方がいらっしゃってしまいました。
…え、これ、次回からどうなっちゃうんでしょう??
国内最大級の品揃え【DMMブックス】