前回までのあらすじ
本編あらすじ
競りに支払った代金は入札額「1」につき1枚のチップとして記録され、司会である宇佐美の両脇に配置された4本の「デッドラインチューブ」に蓄積されていく。
ゲームの反則行為は「暴力」「通信機器」「5分以上選択に時間をかける遅延」。
電流によって気絶すれば当然失格となるが、支払総額「15」までは激痛を味わえど意識を失うことは稀。
ただし───「16」を超えたならば、意識が戻ること自体を祈らなければならなくなる。
「宝を獲るか 命を奪るか 十分にご精査ください」
親は一戦ごとに反時計回りで交替となる。
デモプレイの結果を踏まえ、獅子神たちは席順などを5分以内に決定する事に。
村雨は「この勝負に勝つには正しい処理が必要だ」「故にあなたには一つ仕事を任せねばならん」と獅子神に話す。
「私が合図するまで 何があっても競り勝ちに行け」
「あなたは常に最大の数字を出す オークションの”王”として動くのだ」
常に最大の数字を出す───このゲームでその危険性が分からないはずもなく、獅子神は反論するが、「あなたが成し遂げられなければ 我々に勝ちの目はない」と返す村雨。
獅子神に無茶苦茶な頼みをしつつ、しかも自身の狙いは明かさない。
「何も説明せず処方箋だけ受け取れってか」と文句を言う獅子神だったが
「従いましょう お医者様がそう仰るなら」
と最終的には承諾。
そしてとうとう、「ライフ・イズ・オークショニア」ゲームスタート。
第1セット1ラウンド目の「親」はすでに席に伏せられていた入札札により山吹に決定。
「アンタは根暗メガネより遊べそうだ」「派手に散ってくれよ 間抜けな悪役として」と茶々を入れてくる山吹に言い返しながらも、獅子神は村雨の考えが読めず悩んでいた。
───なんでオレは 何も気づけねぇんだ!!
全プレイヤー選択完了。
結果は───
第1セット1ラウンド | 数字 | 残り手札 | 累計提示額 |
【親】山吹 | 1 | 2,3,4 | 0 |
獅子神 | 4 | 1,2,3 | 4 |
時雨 | 1 | 2,3,4 | 0 |
村雨 | 1 | 2,3,4 | 0 |
時雨は「実に素晴らしい なかなかできることではありませんよ」と獅子神を讃える。
「強さも長さもわからぬ電流を 全力で受けるなんて愚行は」
タッグマッチなどという特殊な状況では誤解してしまうのも無理はないが、ただのチームメイトを「仲間」だと思うのは大変危険。
そう時雨が語る中、落札者である獅子神に「4枚」の電撃が与えられる。
真正面で電撃を喰らった獅子神に対し、村雨は「ご苦労 有益なデータが取れた」と言葉をかけるのだった。
感想
デッドラインチューブ
前回会場が明かされた際、バルーンと並んで気になったのが宇佐美主任の両横の柱。
ただの装飾にしては存在感が…と思っていましたが、あれもゲームに必要な装置だったとは。
「従いましょう お医者様がそう仰るなら」ァアアアアアアアアアアアア!!!
カッコ良!!!!!
もうこの5ページ目から9ページ目の流れは全獅子神&村雨コンビ誕生を心待ちにしていた読者諸氏の心やら脳やら胃袋(?)に直撃するシーンかと思いますので、もう、読んでください!何が何でも!!
しかし、獅子神さん。
村雨さんの指示に憤るだけならまだしも、「なんでオレは 何も気づけねぇんだ!!」と、自身の不甲斐なさにも憤っています。
村雨さんの口ぶりでは、獅子神さんが村雨さんの思惑を悟ってしまうと賭けの勝率がゼロになってしまうという事なので、村雨さんはそこも計算しているようですが…
やはり獅子神さん、読者人気ナンバー1(筆者主観)の男!!
第1セット1ラウンド目の結果は…
村雨さんの指示通り「4」を出した獅子神さんが当然勝利。
時雨さんの言う通り、「強さ」も「長さ」も分からない電流となると、その痛みはどれほどになるか想像もつきません。
宇佐美主任の言葉によると、「16枚」相当で意識が戻らない=死 の可能性…?
調べたところ…
0.001A=1mA:ピリッと感じる程度
0.005A=5mA :かなり痛く感じる
0.01A=10mA:耐えられない痛み、皮膚に傷ができる
0.02A=20mA:けいれんが起き、体の自由がきかなくなる
0.05A=50mA:呼吸が止まる、心臓が止まる可能性が高い
0.1A=100mA:生命の危険が高い
という事です。
0.1Aまで書きつつも、0.05Aの時点で死亡する可能性はかなり高くなるそうですし、0.001Aを下回る電流であっても、心臓を通過すれば心室細動や心停止を起こす危険性があるそうです。
人体への電気ショック…といえばAEDですが、なんと電流は30~50A!
ただし電気が流れる時間は数ミリ~十数ミリ秒と瞬間的、かつ、心室細動状態の心臓をあえて一瞬停止させる目的なのだそうです。
AEDについて調べるため、オムロンのホームページを参考にしました。
勉強になりますので、ぜひ皆様もお読みください。