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【ジャンケットバンク】第7話 感想 "獅子"ではなく、"キツネ"。

2021年11月15日

前回までのあらすじ

これホントにオレの?

本編あらすじ

「金庫のすり替え」を疑い始めた獅子神(シシガミ)。

ゲームの勝利条件が「先に金庫を開けること」ではなく「自分の名前入りのハートを外に出すこと」であれば、すり替えられていたが最後、獅子神は目の前の金庫を開けることで真経津(マフツ)を勝たせてしまうことになる…かもしれない。

選択肢が1/5どころではなく1/10にされた獅子神はふと、自身が仕掛けた”イカサマ”を思い出す。

”イカサマ”としては機能しなかったが、特殊塗料がついている金庫であれば―――

金庫に光を当て、本来不愉快なはずだったニコちゃんマークを見て安堵したのも束の間、

おそろいに しといたよ

と、真経津は自分の金庫にもマークがある事を示す。

この状況に混乱しだした獅子神は、眼の前の真経津から鏡の幻影を見る。

…虎?

鏡に映るのは恐ろしい虎の姿。

だが獅子神は、その虎の影に小さく動く姿を見つける。

それは瘦せっぽちで、貧相な、小心者の―――狐。

獅子神は気付く。

恐ろしい虎の影に隠れる、このちっぽけな狐の姿こそ、鏡に映る、己の―――

真経津は唐突に、獅子神が「自分に負けた債務者を買う理由」を語りだす。

カラス銀行の賭場では、残高が増えれば賭けのランクが上がってしまう。

それがイヤで、ムダ遣いをするのだろうと。

強い敵とは戦わずに ラクに勝てて ラクに威張れて 自分が一番でいられる場所に 必死で留まってる

君の人生は停滞してる

それは激昂するほどの図星。

怒りと恥が頂点に達した獅子神はしかし、逆に冷静さを取り戻し、常であれば敬遠したであろう己の臆病さを糧に、狡猾な考えを巡らせた。

自分にはすり替えの事実は確認しようがない。

であれば…

見てた奴に聞けばいいんだ。

獅子神は銀行員たちに「すり替えか?」と一言問う。

唐突に問いかけを受けた2人だったが、その反応は対照的。

宇佐美(ウサミ)は眉一つ動かさず、対して御手洗(ミタライ)は言われた意味が分からず視線をさまよわせる。

そう―――”意味が分からず”。

獅子神は確信した。

すり替えは見てねぇってよ!!そこの新人は!!

宇佐美は御手洗に

君は今 いともたやすく利用され 自分が何に利用されたのかすら 理解していない

このままではいつか殺されますよ

と、静かに言葉を送った。

すり替えの可能性は限りなくゼロ、しかし万が一は有り得る。

臆病さから生まれる慎重さを武器に、獅子神は己が設定した当たり穴”以外”に鍵を刺していく事を決める。

万が一、手元にある金庫が真経津のものであった場合、当たりに刺した時点で負け。

そうでなくとも、今まで通り真経津が獅子神の刺した場所に鍵穴を刺してしまえば、金庫は開いてしまう。

手の刺し合いになれば必ず真経津はボロを出す―――

そう踏んだ獅子神は、左上の鍵穴に鍵を刺した。

感想

両方の金庫にニコちゃんマークを描くなんて、どこまで用意周到なんでしょう真経津晨…!

恐ろしい子!!!

そして出ました!真経津さんの「鏡」!!

鏡は、自分の姿を映すもの。

獅子神さんは、「虎の威を借る狐」の姿を鏡に見たのですね。

まあ獅子神さんの場合は、他人の権威で威張り散らしていたわけではないですが…

本当は小物なのに、強く見せていた―――そういったところが当てはまるんでしょうね。

獅子神さんがムダ遣いをする理由、残高を増やさないためだったとは。

単純に自己顕示欲を満たしたいだけかと思っていました…(笑)

確かに、強くなりすぎるとよりヤバ目の賭場に連れて行かれてしまいますもんね。

賢いやり方かもしれません。

御手洗君、前回一瞬冷や汗が止んだのに、今回またノンストップ冷や汗に戻ってしまいました(笑)

突然あんな風に質問されたら、「なんのこっちゃ?」と慌ててしまいますよね。

その点、さすが上司の宇佐美さんは動じませんでした。

手練れのギャンブラーともなれば、周りの環境を利用して勝つことは有り得そうですよね。

Always冷や汗の御手洗君、果たして大丈夫なのか…?

彼の行く末を気にしつつも、次回へ続く!

そしてこれが「ジャンケットバンク」1巻の終わりです。

8話、そして2巻に続く!

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