前回までのあらすじ
特6(外商)が真経津さん家に行きたいそうです。
本編あらすじ
ワンヘッド戦に勝利した真経津のもとへ、「ヘックスメダル」と特権の説明に訪れた特6(特別権利管理課)の荒川と桃園。
真経津が手に入れたメダルは2枚。
基本的にワンヘッドでは毎試合賭けられるメダルは1枚(※)で、ルーキーであった真経津の賭け金は銀行が用意したものらしい。
参加プレイヤー全員がワンヘッドで5勝以上している場合に限り、2枚以上のメダルを賭ける事が出来る
真経津が勝利、眞鍋を下した分のメダルを入手したため、2枚手元に届いたという事になる。
特権は第一種から第三種まであり、ランクが上がるごとに特権の効力と価格が上昇する。
特権 | 購入価格 | 効果 |
第一種 | メダル50枚以上 | 極大 |
第二種 | メダル10枚以上 | 大 |
第三種 | メダル2枚以上 | 中 |
眞鍋が持っていた「第三種閲覧権」は最も下位の特権だが、それでも手にした人間の人生を激変させるような代物。
更に特権の効力は、
・購入者の死亡
・使用回数の枯渇
・購入から2ヶ月間の経過(特例を除く)
このいずれかで失われる。
メダルを使い切ってしまった場合でも、初戦同様1枚は銀行が用意してくれるが、特権の購入には現物のメダルが必要となる。
ここまでの説明を聞いた真経津は、「清々しいほど 露骨に意地悪なルールだね」と言う。
特権を維持するには、最低でも2ヶ月に一戦。グレードを上げるには、それ以上のペースで戦わなければならない。
5勝するまでメダルを稼ぐ効率は最悪で、稼いだメダルは誰かに奪われないよう守る必要がある。
「何をやるにも命懸けだ」
「ボクたちを殺したくてしょうがない そう言ってるように聞こえるよ」
真経津の言葉に、荒川と桃園は「おっしゃる通りです」と返す。
ギャンブラーは命を代償に特権を買う。
そういったギャンブラーに敬意はあれど、これはあくまでビジネス。
正直なところ、特権の実現にかかるコストは人一人の命では到底足りないほど莫大となる。
それは「特権だけ」を管理する特6という部署が作られる程。
ヘックスメダルは1枚5億で銀行へ買い取りを頼む事も出来、正直そうしてもらった方がコストは遥かに安く済む。
圧倒的な価格破壊。
それだけの商品が溢れている。
「買えること」それ自体が特権なのだ、と語る荒川と桃園。
特権の内容は極秘情報のため、御手洗にこの場を去るよう命令する桃園。
渋々御手洗が去った後、彼らはカタログを真経津に差し出す。
そのカタログには、現在の真経津の所持メダルで購入可能な特権が全て記載されている。
メダルを多く持つごとに商品も増えていくが、原則として特権の所持はグレードに関わらず一種類のみとなるらしい。
「夢みたいな話だね まるで現実で使える魔法の書だ」
「みんなが血眼になってメダルを欲しがり 求めるたびに争いが起こる」
「それだけ分かれば十分だ 本は持って帰っていいよ」
まさかの返事に、不機嫌さを隠そうともせず「我々の業務向上のため 理由をお聞かせ願いたい」と荒川が問う。
真経津は、自分が欲しいモノは特権ではなく命懸けで遊んでくれる対戦相手だという。
「特権の一覧なんか見ちゃったら 敵の欲しいモノがわかっちゃうでしょ?」
また、自分が5勝した時の為にメダルは1枚も無駄にできない。
───高額のBetを受けてくれる、怪物のような奴と遊ぶために。
そこまで聞いた二人は、真経津邸を後にする。
家の外で待っていた御手洗は、出てきた彼らに「真経津さんに カタログの中身を見せてないだろうな?」と声を掛ける。
「腐れコバンザメが…」
「全ての質問に答えが返ってくると思うなクソガキが」
「なぜ我々が答える必要がある?」
「”なぜ”? そんなの決まってる」
「真経津さんの楽しみを奪ったら お前らを許さないからだ」
真経津、御手洗と対峙した荒川は、2人に監視をつける事を考える。
「言葉は通じても会話は成り立たない」「そんなのが二人仲良く手を組んでる」
「あの二人は 確実に世界を歪めるぞ」
感想
読者は(私は)
特権一覧見たかったッ・・・!!!
「売りたくない」と言いながら断られるとキレるやーつ
「押し売りの人みたいな態度だね」
特権についての説明
特権の説明でもあり、ワンヘッド戦のルール説明でもありましたね。
あらすじ部分に大体書きましたが、まとめておきましょう。
・ワンヘッドで賭けられるメダルは毎試合1枚
・ただし参加ギャンブラー全員がワンヘッド戦で5勝以上している場合はその限りではない
・特権は使用者の死亡、使用回数の上限、2ヶ月経過、のいずれかで失効する(※ただし時間経過については特例がある)
・特権の購入には、現物のメダルが必要
特権 | 購入価格 | 効果 |
第一種 | メダル50枚以上 | 極大 |
第二種 | メダル10枚以上 | 大 |
第三種 | メダル2枚以上 | 中 |
眞鍋先生の「第三種閲覧権」は、一番下の特権だったんですね。
まあ、一番下といってもヤバイですが…。
眞鍋先生はワンヘッドで3勝していたので、ヘックスメダルは4枚持っていたはずです。
…うーん、ワンヘッド3勝というだけでもかなりヤバいのに、第二種特権の購入には最低でも6勝する必要があるとは。
また、説明の中でもう一点気になった内容が。
・ただし参加ギャンブラー全員がワンヘッド戦で5勝以上している場合はその限りではない
「全員」?
…これってアレですかね。
一対一以外のゲームが存在する、という事でしょうか。
ワンヘッドで?
4人でゲームしたら3人が死ぬの?
正気か???
今際の国のアリスの、チシヤが参加したげえむ「てんびん」が浮かびました。